山本純子のスゴイぜ!業務用冷凍食品(23)市場で圧倒的人気を誇る、クリコロ
●50年超の歴史が溶けている~
ふと、駆け出し記者の頃を思い出しました。武闘派の根性を買われて冷凍食品専門紙編集部へ入り、与えられた仕事は学校給食の取材。カメラに向かってVサイン、わらわら寄ってきて焦点が定まらない小学生をなだめながらの撮影に四苦八苦。食べてね、と栄養職員の先生が出してくれた給食のおいしさにジェネレーションギャップを感じたものでした。そんな先生方の信頼のブランドが「ヤヨイ」。そして「ニチロサンフーズ」といえば、1980年代にマーケットを驚かせた、骨付きのリブフランクにジャンボギョウザ!
そんな、清水と長岡のキラ星的な業務用2ブランドが、2014年マルハニチログループとして合併、ヤヨイサンフーズが誕生して8年目です。今年のパンフレットを開いてみると、おしゃれでゴージャスなブランドに進化していました。う~む、ここにもジェネレーションギャ~ップ!
ということで本題に参ります。ズバリ、圧倒的人気を誇るクリームコロッケ。
とにかくスゴイ。ほどよく剣立ちした衣をサクッと噛めば、驚くほど軟らかく、とろけるクリーム。舌の上で溶けていく中に紅ズワイガニのうま味がしっかり。高級アイテムかと思ったら、これが普及版の売れ筋トップ商品とは。容易にはまねできない。だからこその業界トップレベル、なんですね。
同社の冷凍食品の歴史は、先の東京オリンピックが開催された64年から。カニコロッケを開発して惣菜市場に打って出たのは70年、大阪万博の年です。これが大ヒット商品に。フレンチシェフのように、ルウを作るところからの本格ベシャメルソースがベースのクリームコロッケ。さらに、トングで挟んでも崩れずパックできる品質が選ばれるポイントです。定番だけで16品という品揃えも魅力。
余談ですが、このベシャメルソースがあったからこそ、グラタン「デリグランデ」も誕生し、人気を博して20余年なのです。
発売から半世紀を超えてなお、人気商品であり続けるクリームコロッケ。時代に合わせた進化も続けてきました、という開発努力をうかがい、しなやかに、滑らかに、変わっているけど変わらない。50年トップを走るアイドルスターを思い浮かべたのでした。GO! GO!
★ここがスゴイ!
メチャとろとろ~、なのに崩れない
●商品概要
「NEWとろけるクリームコロッケ(かに入り)R」
メーカー名=ヤヨイサンフーズ
規格=80g×60×2合/800g(10個入)×6×2合