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飲食店の数学講座

飲食店の数学講座(7)

ドクター・マヒマテック

悪い数字を変えるにはコツがある<6>

飲食店の数学講座(7)悪い数字を変えるにはコツがある<6>

2015/10/05日付 439号12面

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●都心繁華街の賃料は異常相場、好立地より真の店舗力が先!

先日、店舗専門不動産業者から「都内繁華街に5店舗を展開する洋食店を買う会社はないか?」と問い合わせが入った。

詳しい資料(月次損益明細)をお願いし、届いた明細表を計算すると、驚くような現状が浮かび上がりビックリした。

年間売上高は約4億円。営業利益3800万円(売上比9.5%)。不動産会社の幹部は言う。「優良物件ですヨ。営業利益も10%近い」

だが専門家の私から見れば、この営業形態は「異常」だ。特に家賃比率がべらぼうなのだ。青山店(30坪)は、月間家賃200万円超え。青山通りを少し入った場所で、周りは個性的なファッション店と美容院、エステ店。このあたりだと、坪7万円くらいの家賃相場は、普通なのかも知れない。

食材費(Fコスト)に20%もかかっていない。人件費(Lコスト)も20%以下。貧弱な料理に安い給料。働いている従業員がかわいそうになってくる。

しかし食材費が安い割に結構売れている……? 西麻布、表参道、青山、赤坂、こういう都内の華やかな繁華街では、来店客の飲食動機は、おなかがすいたから何か食べようではない。表参道店をのぞいて見ると、「海沿いカフェのハワイ風ロコモコ・ハンバーグランチ」が2000円。南国の食べられる花びら(エディブル・フラワー)が数枚飾ってあるが、その他はなんてことはないハンバーグご飯。ハンバーグに半熟目玉焼きがのり、それをスプーンで混ぜ合わせて食べる。コンビニの、200円くらいのレトルトハンバーグを代用しても、出せそうな料理だ。ハワイ風な演出が充満した店では、若い女性客の笑い声が響いていた。こんな商売、いつまで続くのかな……というのが、率直な感想である。

独立希望者に、筆者は口を酸っぱくして説いている。「見た目、良い立地は家賃がべらぼうに高い! そんな一等地を狙わず、二等地でもいいから、おいしい料理をわざわざ食べに来ていただけるような、強い店舗力(料理・接客)を磨くことが先なのだ」と。

飲食店の家賃比率は、売上高に対して8~10%が適正。家賃から逆算すると、例=家賃35万円の場合 35万円÷0.08≒440万円(目標売上高)となる。

持ち込まれた案件は、結局、買い手が見つからなかった。飲食店の命である食材費と人件費を犠牲にした高家賃の都心おしゃれ飲食店など長続きするまともなビジネスではない、と思うのは筆者だけであろうか。

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