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飲食店の数学講座

飲食店の数学講座(17)

ドクター・マヒマテック

人材不足&人件費高騰を創意と工夫で乗り越える<5>

飲食店の数学講座(17)人材不足&人件費高騰を創意と工夫で乗り越える<5>

2016/10/03日付 452号12面

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●人手が無いなら人手のいらない店に、例えばスポーツBARへ業態転換

外食全体の伸びは鈍化している。いろいろ要因があるが、本論とは関係ないのでここでは述べない。

問題は、どのような飲食業態が繁盛しているのかである。ワインバルはもう古い。「肉バル」などいろいろ言われるが、本当に繁盛しもうかっている店は、意外なところに存在する。

「スポーツBAR」である。渋谷駅から500m以上離れた二等地のビル2階、35坪の店だが月商800万円を超える。知り合いのマネジャーが働いているので、店内の状況を聞いてみると、今8月中旬はオリンピック放映で、入場を断る日が続いていたと聞く。

リオオリンピックは深夜が多いので、スタッフは帰宅できず事務所で仮眠。始発で帰って、午後出勤が続いている。

では、オリンピックだからそうなのか--。いや、6月はサッカーのヨーロッパ大会で同じような盛況。普段も似たようなものだと聞く。

やれ、浦和レッズだ、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズなどとサッカーの試合、世界陸上、ワールドカップ、イチローの3000本安打、セパ交流戦と、スポーツのネタは尽きない。

運営は社員2人で回し、バイトは5人登録。閑散日は3人で回し、ピーク時は6人で回す。カウンターでcash&carry(カウンターでの現金精算)なので、「ファストフードのBAR」みたいなもの。

月間人件費(交通費、福利厚生費など含めず)は88万円。売上げ対人件費比率、12%程度である。

この話を知り合いの料理長にしたら、「先生、それ飲食店じゃないですよ」と笑われた。

確かに、メニューは欧州産のクラフトビール、小瓶と缶。フィッシュ&チップス、唐揚げ、サラダ、フレンチフライ、ナッツ、チーズ盛り合わせなど手のかかる料理はほとんど無い。しかし、話題のサッカーチームがゴールを決めると、大歓声が響き渡りスタッフと一緒に盛り上がる。バイトを含めたスタッフは皆若く、スポーツ好きなので辞める人間は少ない。客単価は、1人1800円と低単価。日によって変動するが、1日80人から120人。ピークは200人。床が抜けそうになるので、これ以上は入場制限をかけているとのこと。

「スポーツBAR」の繁盛など、“あだ花のようなもの”と切り捨てるのは簡単だ。

しかし、2020年の東京オリンピックまでスポーツの季節は盛り上がる。一方、大手チェーン店は閑古鳥が鳴いている。

今の若者消費に焦点を当て、人件費もかからない、スポーツ好きな若者が応募してくるこの「スポーツBAR」、人件費高騰、客離れに悩む飲食店の皆さん、一度真剣に業態転換を考えてみてはいかがだろうか。

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