クローズアップ現在:ハンバーガー市場がDXで活況 コスト削減でお値打ち感創造

2021.09.06 511号 12面
工房のイメージが漂う「BLUE STAR BURGER」の外観

工房のイメージが漂う「BLUE STAR BURGER」の外観

店内は非接触に徹している

店内は非接触に徹している

人気ナンバーワンの「2×2ブルースターチーズバーガー」単品430円

人気ナンバーワンの「2×2ブルースターチーズバーガー」単品430円

「BEX BURGER」の外観。タッチパネルでオーダーして行列に並ぶ

「BEX BURGER」の外観。タッチパネルでオーダーして行列に並ぶ

店内はキッチン機能のみで製造に徹している

店内はキッチン機能のみで製造に徹している

コレド室町テラスの1階に出店している「Wagyu Burger」

コレド室町テラスの1階に出店している「Wagyu Burger」

「和牛チーズバーガー」単品1,650円、セット2,090円

「和牛チーズバーガー」単品1,650円、セット2,090円

新橋の飲食店が立ち並ぶ一帯に出店した「TREE&TREE'S」

新橋の飲食店が立ち並ぶ一帯に出店した「TREE&TREE'S」

「和バーガー 塩 フライドポテトセット」1,350円

「和バーガー 塩 フライドポテトセット」1,350円

 ハンバーガー市場の新しい動向は昨年11月、ダイニングイノベーション傘下のブルースターバーガージャパンが東京・中目黒にテイクアウト専門の「BLUE STAR BURGER」をオープンしたことに始まる。同店はDXを随所に活用。「これによって浮いたコストでお客さまに安くて良いものを提供する」(ダイニングイノベーション創業者・西山知義氏)というスタンスだ。商品は最もシンプルな「Jr・ハンバーガー」187円(税込み)にはじまり、パティの枚数、チーズ、野菜の組み合わせに加えて、3種類のセットから選べるようになっている。例えば「ブルースター不動の人気ナンバーワン」とアピールしている「2×2ブルースターチーズバーガーセット」は799円(同)。5月からはFCマッチングプラットホームを導入し、FC加盟店の募集を開始。現在、加盟希望が250社に達している。

 GYRO HOLDINGS傘下のsubLimeは5月、東京・吉祥寺にテイクアウト専門の「BEX BURGER」をオープン。バンズは同社グループの製品を使用して高いクオリティーを保ちながらコストダウンを図り、OEM使用に対して優位性を誇る。人気上位の商品は「ベックスチーズバーガー」389円(税込み)、ポテトとドリンクとのセットで713円(同)。24時間営業でハンバーガーの販売個数は平日800~1000個、週末1000個以上となっている。今後、ロードサイド、フードコート、路面店などあらゆる立地に挑戦。6月からFC加盟店の募集を開始し、基礎工事が不要のコンテナ型店舗や調理ロボットを開発中。3年後に100店舗、10年間で1000店舗体制を想定する。

 高級焼肉チェーンを展開する平城苑では、4月に和牛ハンバーガーの専門店「Wagyu Burger」をオープン。同社は和牛一頭買いを行い年間500頭ほど使用。この中で、すね肉やネックといった焼肉では商品化しにくい部位があり、これまでは店舗で煮込みやスープを作ったり、同業他社に販売するなどしていたが、同社ですべて使い切ろうと考えて、これらの肉を使用したハンバーガーを生み出した。スタンダードな商品は「THE和牛バーガー」単品1430円(税込み)、セット1870円(同)。そのほか、バーガーはチーズ、チリコン、テリヤキの計4種類がある。新設の商業施設からも出店のオファーがあり、店舗展開を検討している。

 「ドムドム」を27店舗展開するドムドムフードサービスでは8月、東京・新橋に高級バーガーを取り揃えた「TREE&TREE’S」をオープン。営業時間帯をモーニング、ランチ、ディナーと分けて、ランチとディナーで提供するハンバーガーは「和牛バーガー」がメイン。これを「塩」「醤油」「山葵」「紫蘇」などのバリエーションで1350~1690円(税込み)で提供する。100%和牛のパティは、店内で手切りして注文を受けてから焼成する。このたび新橋に開業した背景には、2019年9月に和牛バーガーのポップアップを行い好評だったため10月にも行ったという実績があった。そして、グループ会社が新橋にビルを構えることになり、その1階と地下1階にリアル店舗を出店した。店舗の仕組みの改善を慎重に行いFC展開につなげていきたい意向だ。

 (フードフォーラム代表 千葉哲幸)

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