酪農・乳業新春特集

乳肉・油脂 2021.01.18
酪農・乳業新春特集

 2021年の酪農・乳業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で生まれた新たな日常に対応した産業基盤を構築するための重要な1年を迎えそうだ。「ニューノーマル」の常態化で、牛乳・乳製品に対する消費者のマインドステージは大きく変化し、これまでとは異なるニーズが次々と生まれ、高い水準を維持している需要の定着と拡大に向けての取組みが重要だ。全国の生乳生産量は2年連続で増産基調となっている明るい話題もあるが、北海道と都府県の構造的ギャップは依然として大きな問題。牛乳・乳製品でも家庭用が好調である半面、積み上がった業務用在庫をどのように適正化していくかが喫緊の課題となっている。コロナ禍の状況も先行きが不透明であり、生乳需給の変動も再び予想されることから、酪農・乳業業界が一丸となって対策を講じていくことが必要だ。丑(うし)年の今年、安定供給と市場ニーズを的確に把握した着実・正確な使命の遂行が求められている。(小澤弘教)