胃心伝真=時の流れ

総合 コラム 2017.12.08 11630号 01面

 岩手県盛岡市から岩泉町に向かう国道455号沿いの初冬の風景は寂しい。畜産農家の牛舎や家屋は廃屋と化し、100kmの行程ながら地域住民の歩く姿はまず見ない▼かつてコメや鉄を積み、秋になれば子牛をセリ場へ引っ張り、1日10里、6頭から10頭連れて牛方や馬喰が通った。この国道は小本街道と呼ばれ、よく知られる南部牛追唄の発祥地でもある。2日も3日も牛馬と一緒に盛岡までいくわけで長い道中、心細さも募ろう▼赤べこ、岩手短角牛の故郷でもあるが、朝食に豚もつ鍋が出てきた。なぜにと訝(いぶか

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