新型コロナ影響:包装米飯・もち業界 安定供給に尽力 一時急増も落ち着き見せる

農産加工 ニュース 2020.03.06 12022号 01面

包装米飯・もち業界も2月27日以降、発注が急増した。ある大手卸によると米飯は瞬間で6倍に跳ねるなど、コメとともに需要が急増。包装もちも瞬間で2~3倍の動きを見せた。3月に入ってその動きは若干落ち着きを見せたが引き合いは強い。メーカーは安定供給に尽力していることから、冷静な対応が求められる。

パックご飯といわれる包装米飯の市場は、もともとその簡便性から伸長が続いており、各メーカーはこれまでも製造能力を強化してきた。このため「原料米も容器も潤沢にあり要請に応えられないわけではない」と安定供給へ尽力の意向を示しながらも「急激に寄せられるとすべてを受け入れることはできない」(メーカー)という。なお、消費傾向では5パックや10パックといった徳用サイズの引き合いが強まっているようだ。

一方、包装もち市場では、休校の要請で「子どもたちが正月以来のもちメニューで喜ぶ姿も想像できる」(メーカー)といった声も聞かれる。

ただ、もちが1ヵ月に消費される量は限られる。家計調査を参考に2人以上世帯の消費傾向を見ると、最需要期の12月に1.1kgほど購入されるが、1月に入ると約200g、2月約130g、3月約100gと極端に減少する。包装もちの主力は1kgで、切りもちだと約20個入り。これを2人以上の世帯で消費すると通常1~2ヵ月かかる。

カップ麺や日配品などに比べ消費の回転は遅く、購入の優先度も低い。技術の進歩で高い品質を長期に維持できるようになり、2年間保存できる商品もあり、一時的な需要増後の消費には注視が必要だ。

なお、生産体制については大きな混乱は見られていない。(山本大介)

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