胃心伝真=極みの一文

総合 コラム 2018.05.30 11707号 01面

 山形県鶴岡市は2014年にユネスコ食文化創造都市に認定されたまちであり、在来野菜、伝統食が息づく。「毎年5月になると孟宗汁と鰊を思い出す」「だだちゃ豆があれば他にご馳走はいらない」と藤沢周平氏は思いを語っていた▼横光利一氏の最後の作品となった「夜の靴」は数多い作品中、最高傑作と評価される。妻が鶴岡市出身でその縁もあり、1945年7月末から12月まで同市水沢地区に疎開し、深刻な食糧難、混乱する戦後農業、季節の移ろいと人間模様が織り交ぜてつづってあり、食の何たるかが教えられる▼

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

書籍紹介