4月26日。今日はタンザニアの統合記念日
1964年4月26日、タンガニーカとザンジバルが合併してタンザニア連合共和国となった。
タンザニアの重要な作物、クローブ
クローブは、丁子樹の花蕾を乾燥したもので、高い芳香と灼くような辛味を有している。
クローブは、モルッカ諸島に限って産していたもので、オランダ領になって種子、苗木の輸出を厳禁して独占につとめたが、18世紀初頭にフランスによってモリシウス島に移植されて、以後各地域に伝わったが、現在ではザンジバル、マダガスカルで世界生産量の90%以上を占めているといわれる。日本へも中国を通じて古くから輸入されている。正倉院御物の中にも現物をみることがで きるという。おそらく、薬用か、中国で臣下が皇帝の前にでる時にこれを口中に含んだという記録があるので、日本でも天皇の前にでる時にこれを見習ったものではないだろうか。食品の芳香剤として使用したのは明治以降であろうと推察される。
クローブは、ソース、ケチャップ業界が最大の消費業界、次いでカレー業界であるが、タンザニア、マダガスカルが主な産地で、作柄の豊凶がきわめて極端であり、輸入価格の変動がもっとも激しい商品の一つでもある。
料理用には、シチューやスープなどの煮込み料理。パイ、クッキー、 ビスケットなどベーカリー類に合う。また、食品以外では、燻香、化粧品業界に重要な香料でもある。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:服部 博))