JA全農、7年保存防災食を発売 国産原料使用のレトルト米飯

農産加工 ニュース 2019.08.30 11933号 01面

JA全農は今秋、国産原料使用の長期保存食を発売する。水道やガスなどライフライン分断時でも、水やお湯が不要で開封後そのまますぐに食べられるレトルト米飯で、特定原材料等27品目不使用の食物アレルギーにも対応。ターゲットは全国のJAグループを中心とした法人だが、パーソナル需要も視野に入れる。全農ブランドのオリジナル防災食は初めてとなる。

商品は常温で7年間の長期保存を可能とし、底面にスプーンを付け、いつでもどこでも食べられる商品とした。アイテムは「五目ごはん」=写真=と「和風きのこごはん」「野菜カレーごはん」3品を揃え、食べ飽きないように工夫している。

「非常時こそ食べる喜びを」と、味や食感には最もこだわり、昆布エキスや魚醤を隠し味に使用し、普段の食事でもおいしく食べられるクオリティーを確保した。

原材料の発芽玄米ともち麦、野菜類は全て国産で、特に保存食で初めて配合したもち麦は、レトルト加工後ももちもち食感が残り、普通の米飯に近い食感を確保。同時に、食物繊維豊富で腸内環境を改善し、避難所などで悩みがちな、便通改善にも一役買う。

一方、アートディレクター吉村卓氏が手掛けた、赤(五目)と緑(きのこ)、黄色(カレー)を基調にした、ビビッドでポップなパッケージデザインも特徴だ。

商品開発の背景に、JA全農が、農産物の生産から加工を含めた販売までのバリューチェーン構築を急ピッチで進めていることがあり、多様化する消費ニーズに迅速かつ柔軟に対応するため、食品メーカーや商社と作業部会(チームMD)を結成し、国産農畜産物を活用した商品開発を強化していることがある。今回の商品も、この部会で誕生し、小豆島の佃煮メーカー宝食品が製造を担っている。(佐藤路登世)

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