「焼肉ビジネスフェア2015」開催:シンポ・田中利明社長 世界に飛躍する無煙ロースター
●日式焼肉のグローバル化をリード きめ細かいアフターフォローを徹底
日本の「焼肉」は終戦後の日本で誕生し、独自の食文化として発展した。今では誰もが愛する国民食だ。この新たな食文化創造には東西の歴史(※)のある焼肉店の存在が大きい。
そして叙々苑の新井泰道社長、食道園の江崎政雄社長をはじめとする焼肉業界の重鎮の口をついて出るのが「無煙ロースター」の存在だ。
1972年当時、関東では関東精機、ヤマキン、関西では関西工業、そして名古屋のシンポなど各社が、相前後して「無煙ロースター」製品を販売した。それまでの長い間、「焼肉は食べたいけれど、衣服や髪にニオイがこびりついて」と敬遠していた女性客を一挙に取り込み、男性客も増加した。焼肉店はニオイや煙がなくなったおかげで内装も自由になり、おしゃれな店や高級店に変身していった。焼肉が日本の国民食になったのは、無煙ロースターの開発という大革命が起きたからにほかならない。
現在、シンポは無煙ロースターのパイオニア企業として国内シェアトップ、全国に1万6000店舗、海外は中国、台湾、韓国、香港、東南アジア(ベトナム、シンガポール、タイ、マレーシア)、米国、カナダ、オーストラリア、フランス、イタリア、ドイツの700店舗以上に導入している。「日式焼肉」を世界のスペシャルディナーとして展開するという国際戦略を推進する中で、20年以上前に海外初輸出を果たした中国、そして日式文化を好む台湾で評価が高まっている。
シンポは主力商品の無煙ロースターなどの販売とアフターフォロー、店舗の内装デザインなど設備関係、リース、物件探し、ローン相談まで一貫した顧客サービスに徹している。焼肉ビジネスフェアは初回から連続出展しフェアのシンボル的存在でもある。
同社の田中利明社長は、13年2月ごろから焼肉業界の変化を感じていた。焼肉ビジネスフェアは12年から出展攻勢が続いている。焼肉に火がついた。そう思ったという。
田中社長は焼肉店の売上げが好調な理由に、団塊世代の焼肉食増加を挙げる。これまでの健康のために肉の摂取は控えるようにといった論調は、良質の動物性タンパク質の摂取が長寿を守るという研究結果の紹介に変わってきた。田中社長は、年輩者たちが好んで赤身肉を食べるようになった今、どのように赤身肉をおいしく調理して提供するかが焼肉店の成功の秘訣だと力説した。
※「焼肉ビジネスフェア」の公式ホームページ(http://yakinikufair.com/)の『「焼肉業界 次の一手」焼肉業界のトップインタビュー』参照