冷凍冷蔵倉庫業界に革新起こす 霞ヶ関キャピタルの挑戦【PR】

「冷凍冷蔵倉庫業界の2030年問題」「物流の2024年問題」など、多くの課題を抱える冷凍冷蔵倉庫業界に、革新が起ころうとしている。コンサルティング型デベロッパーの霞ヶ関キャピタルは、物流事業進出からわずか3年ほどで全国に18ヵ所の冷凍冷蔵倉庫の開発を推進。すでに8ヵ所が完成し、埼玉県三芳町では「COLD X NETWORK」のブランドで今年11月中旬から保管サービスを開始する。「マルチテナント型・賃貸型の冷凍冷蔵倉庫」「環境配慮型のコールドチェーン物流施設」「預けたい期間、必要なスペースだけ」などのキーワードの下、同社はどのようにして業界の課題解決に挑もうとしているのか。

オートメーション型冷凍冷蔵倉庫の第1号施設として埼玉県三芳町に完成した
「LOGI FLAG TECH所沢I」

〈霞ヶ関キャピタル・会社概要〉
▽設立=2011年9月▽代表=河本幸士郎代表取締役▽本社=東京都千代田区霞が関三丁目2番1号▽資本金=184億9392万円(資本準備金含む)※24年8月末日現在▽従業員数=256名(単独)※24年8月末日現在▽主な事業=不動産コンサルティング事業▽免許登録=金融商品取引業、貸金業者、宅地建物取引業者、一級建築士事務所、不動産特定共同事業


●マルチテナント・賃貸型の冷凍冷蔵倉庫

東日本大震災で被災したショッピングセンターを再生させる。この使命を果たすため、2011年9月に創業した霞ヶ関キャピタル。以来、常に社会が必要としていることをビジネスにするという一貫したポリシーの下、コンサルティング型デベロッパーとして物流施設のほか、ホテル、ヘルスケア施設などの開発を手掛けている。

同社は物流施設の中でも冷凍冷蔵倉庫に注力して開発を進めている。きっかけは何か。

「冷凍食品の市場が伸び続ける中で、冷凍冷蔵倉庫の需要は確実に高まっている。しかし、既設の冷凍冷蔵倉庫の多くは老朽化が進み、さらに将来的には冷媒にフロンが使えなくなる。この状況下で操業停止が増えれば、冷凍冷蔵倉庫の深刻な供給不足に陥る。いわゆる『冷凍冷蔵倉庫業界の2030年問題』で、この課題解決に向けて当社のノウハウが生かせないかと考えた」(霞ヶ関キャピタルロジスティクス営業本部リーシング事業部・中村絵里佳シニアヴァイスプレジデント)

モントリオール議定書によると、特定フロン(CFC、HCFC)は30年までに全廃が決定している。これに伴い冷媒設備の更新が求められるが、多額の投資が必要になり、特に老朽化した施設では設備更新自体が難しい。需要が拡大しているのにもかかわらず、冷凍冷蔵倉庫業界を取り巻く環境は厳しさを増しているのだ。

「こうした課題の解決に向けた答えの一つとして打ちだしたのが、『マルチテナント型・賃貸型の冷凍冷蔵倉庫』。複数の運営事業者(=テナント)が冷凍冷蔵設備の導入、メンテナンスなどのコストなしですぐに事業を開始でき、たとえ大規模修繕や設備更新があっても定額の賃料に上乗せされない」(同)

マルチテナントのため、1社当たりの賃料自体も分散される。ただ、冷凍冷蔵倉庫はテナントが求める温度帯が多様で、保管する荷物量によって必要なスペースもさまざま。
「そこで冷凍から冷蔵まで温度可変に対応した区画の設置や、3温度帯倉庫の建設、1000坪ほどの小規模な施設の開発など、汎用性を高めることにも力を注いだ」(同)


●環境配慮型のコールドチェーン物流施設

こうして霞ヶ関キャピタルが手掛ける物流施設ブランドが「LOGI FLAG」。冷凍冷蔵倉庫の「LOGI FLAG COLD」と、オートメーション型倉庫の「LOGI FLAG TECH」、3温度帯倉庫の「LOGI FLAG DRY&COLD」の三つの施設タイプで構成される。24年10月現在は千葉県と神奈川県、埼玉県、京都府、福岡県、宮城県、青森県で9ヵ所の施設が完成(一部予定)しており、これに着工済み、計画中などを含めると、全国ですでに18ヵ所のプロジェクトが進行している。(表)

冷凍冷蔵倉庫・開発プロジェクト一覧(2024年10月現在)

特にこだわったのが「環境配慮型のコールドチェーン物流施設」で、冷却装置の冷媒にはフロンではなく、自然冷媒(CO2)を利用することにした。貸主側から自然冷媒に転換した冷凍冷蔵倉庫が提供されれば、荷主やテナントは多額な設備投資をすることなく、次世代の冷凍冷蔵倉庫を得られるようになる。環境への配慮という観点だけでなく、ビジネス継続に向けても、この意義は大きい。また、施設の屋根には太陽光発電パネルを設置。再生可能エネルギーの活用にも積極的に力を入れている。


●預けたい期間、必要なスペースだけ

各施設の運営事業者として、荷物の保管システム・サービスを提供するのが、霞ヶ関キャピタルと、AIクラウド・コンサルティング事業、ライフ・プロパティソリューション事業などを展開するSREホールディングス(「DX注目企業2024」選定企業)と共同で23年11月に設立した、X NETWORK(クロス ネットワーク)だ。

同社が冷凍冷蔵倉庫で提供する新たなサービスブランド「COLD X NETWORK」の最大の特徴は「預けたい期間、必要なスペースだけ」借りられるという新発想の冷凍保管サービス。季節要因などによる荷主の需要変動に応じて1日単位から長期間まで柔軟に対応する。


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