メニュートレンド:12年前、長女が小4の時に開発 ミッション!看板メニューを考案せよ!
ロールキャベツグラタン 1,980円(税込み・おかずバー、デトックスウオーター付き) コンベクションオーブンでコンソメスープと一緒に蒸し煮にしたロールキャベツを、いったん急速冷凍し、翌日、開店前にデミグラスソースを加えて再加熱。ホワイトソースとチーズをかけて焼く
長女が小4の時、自分で決めたテーマについて図書館で調べて、レポートを提出するという宿題が出た。母子で相談して決めたテーマが「看板メニューを考案せよ!」。12年前、今のようにSNSが普及していない時代だったが、小4の少女が考案したメニューは口コミでじわじわと広まり、今でも同店の看板メニューとしての人気を誇っている。看板メニューとしての条件とは何か?…を取材した。
長女が考えた「看板メニュー」の定義とは、(1)そのお店の一番の売れ筋商品(2)普通の料理にひと工夫もふた工夫もされているもの(3)ずっといつでもあるもの。
さらに長女が図書館でさまざまな本を調べてわかったことは、人は口、目、鼻、耳、そして心でおいしさを感じるということ。また食べたくなる味、食欲をそそる色、形、盛り付け、香り、ジュージューなどの音、軟らかい食感などだ。心で感じるおいしさとは、お店の雰囲気、仲のいい人と一緒に食べること、料理の内容に見合った価格やそれよりも安い価格で提供されていることが要件となる。
これらを踏まえて、看板メニューの候補として挙がったのが「ロールキャベツグラタン」。
「コクのあるデミグラスソース、チーズの焦げる匂い、あと見た目のインパクトをつけるために、ロールキャベツを大きめにし、デミグラスソースをたっぷりかけて器からあふれさせるなど、ひと工夫もふた工夫もしてみました」と斉藤真己オーナー。
最初は、限定15個で用意したものをすべて廃棄する日々が続いたが、看板メニューの定義の一つである「ずっといつでもあるもの」を守るうちに人気に火が付いた。
看板メニューの開発で大事にすべきこととして、長女が出した結論は、顧客の年齢や性別、嗜好、季節感、「そして一番大切なのは気持ちを込めて作ること!」。それを守ってきたからこそ、看板メニューの地位を12年間、堅持できたのだろう。
●店舗情報
「のうえんカフェ」
所在地=千葉県袖ケ浦市川原井1838/開業=2011年/席数=60席/営業時間=11時~17時。水曜休/平均客単価=2000円/1日平均集客数=平日100人、土日祝250人
●愛用食材・資材
「みやこ こうじ」 伊勢惣(東京都板橋区)
デミグラスソースにコクをプラス
麹箱に盛り、一枚一枚手間をかけて作った箱盛り板麹。甘酒、塩麹、醤油麹など幅広く利用できる。「コクを出すために、この麹で作った醤油麹と玉ネギ麹をデミグラスソースに加えています」と斉藤真己オーナー。
規格=200g