焼肉特集:「食べ放題」がアツイ!焼肉バイキング特集=もみダレが当たり年間23億円
座席に着いたまま食べ放題を楽しめるオーダーバイキングが盛況だが、厨房やホールの人手不足が叫ばれる昨今、「提供されるのが遅い」という指摘も出始めている。そこで見直されているのがビュッフェスタイルの食べ放題だ。お客は自由に移動して、好きな料理を食べたいだけ選択でき、何より注文から提供までの待ち時間がかからない。持ってくる手間はかかれど、体験と欲望を両立し、待ち時間のストレスも皆無。そんな質実的なビュッフェで好調な焼肉事業を紹介する。
●ふるさと納税でハラミが大ヒット バイキング技術が返礼品で開花
大阪府泉佐野市を拠点に「焼肉バイキング左近」など食べ放題14店舗を展開する左近商事は、1980年の創業時から地道に磨き続けてきた「もみダレ」を大ヒットさせている。
2020年12月、自慢のもみダレを活用した「泉州元気ハラミ」を泉佐野市のふるさと納税・返礼品として商品化。2024年の受注数は約36万セット、ハラミ消費量は約45トン、納税額は約23億円に達し、ふるさと納税の有力サイト各種で人気第1位に輝いた(特定期間)。サイト投稿には「ハラミの食感が絶妙」という好評が多数寄せられ、リピート率は3割を超える人気ぶり。本品だけで同市の年間ふるさと納税額の約3割(2022年)を占める。もちろん同市の返礼品のトップセールスだ。
おいしさの秘訣は、仙台の牛タンを研究して開発したもみダレにある。仙台の牛タンには、柑橘類を用いて肉質を軟らかくする手法があり、それをヒントにもみダレの改良を重ね、軟らかく臭みのない肉質を演出。ハラミをはじめ、すべての肉類に活用している。
また、食べ放題を長年続けてきた経験から、ショーケースに並べた肉類の経時劣化を抑制するノウハウに長けている。もみダレの粘度が肉肌の乾燥を防ぎ、もみダレの彩りが肉色の変化を補うなど、もみダレのコーティングが品質維持と見栄えアップに欠かせない。
そうした実力はハラミの人気に十分反映されている。来店客1人当たりの平均ハラミ消費量は約150gで肉類約20品の内ダントツ1位。2位の牛タンに圧倒的な差をつけており、地元では「左近=ハラミ」という評判が定着している。
篭谷栄一専務取締役は「家族3世代が気軽に楽しめるリーズナブルな焼肉を志向。原価的に上物の素材は難しいため、調味技術とカット方法を徹底的に探究。その積み重ねが今回の大繁盛を巻き起こした」と語り、「地域密着の経営らしく地元財政にも貢献できるよう努める」と意欲的だ。
●店舗情報
「焼肉バイキング左近」
経営=左近商事/本社所在地=大阪府泉佐野市南中岡本4-11-1/創業=1965年(バイキング1980年)/店舗数=14店舗(複合店含む)
平日ランチ:大人2,310円 小学生1,300円 平日ディナー:大人3,090円 小学生1,700円
※いずれも税込み。曜日、年齢、一部店舗で異なる。












