漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(128)立冬 季節の移ろいを楽しみながら
ねぎ
ねぎと生しいたけのエビチリ
◆24節気 立冬(11月7~21日)
冬の始まり、立冬。とはいえ、現代の日本では実りの季節、秋たけなわです。街中の公園でも葉が色づきはじめ、好天の日には頭上の青空にも映えます。
二十四節気をさらに3つに分けた七十二候では、初候は「山茶(つばき)はじめて開く」と、冬の始まりの花、さざんか。次候は「地はじめて凍る」。土の上に霜が、池には氷がうっすらと張る様子が語られています。末候は「金せん香ばし」。金せんは水仙。白い花びらの真ん中に、金色の杯のような美しさをいだく冬の花のかぐわしい香りをたたえています。
立冬は、秋の季節の真ん中の秋分から、北半球において1年のうちで日の出から日没までの時間、つまり昼が一番短い冬至に向かう日にちの中間点。これを秋と冬の境目、冬が立つ日、冬の始まりの日と考えました。
カレンダーに二十四節気を当てはめると、少し早い季節の捉え方のように思えます。けれど、秋の穏やかな過ごしやすい季候の中にも、確かに移りゆく気配は感じられます。移ろいを敏感に感じて、待ち準備する、そんな心持ちで暮らせたら、毎日を楽しく過ごせそうです。
季節のおすすめ食材は、ねぎ。発汗解表(はっかんげひょう)の作用があります。まず汗を出すのがおすすめです。
●ねぎ
【栄養学】β-カロテン・カリウムなどを含みます。辛味成分の硫化アリルは、免疫力を高める効果があるといわれます。
【薬膳学】発汗作用により、体表の風邪の原因を取り除きます。風邪のひき始めに食べると良いといわれます。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 葭谷麻利子(レシピも)
◆ねぎと生しいたけのエビチリ
身体を温め、風邪を予防
エネルギー193kcal たんぱく質9.7g 塩分1.1g(1人分)
<材料・2人分>
・長ねぎ……1/2本
・むきエビ……80g
・生しいたけ……3個
・小松菜……1/2袋
・片栗粉……大さじ1
・油……大さじ2
A・オイスターソース……小さじ2
A・豆板醤……小さじ1/3
A・酒……大さじ1
A・水……大さじ2
<作り方>
(1)長ねぎは1cm幅の斜め切りにし、エビは片栗粉をまぶす。生しいたけは薄切り、小松菜は3cmに切る。
(2)フライパンに油を半量入れ、エビを炒めて取り出す。残りの油を加えて野菜を炒め、エビを戻し入れる。
(3)Aを混ぜて(2)に加え、手早く混ぜる。