全国青果卸売市場協会、地方卸売市場活性化を宣言 令和元年度大会で

月田求仁敬会長

月田求仁敬会長

全国青果卸売市場協会は8日、大阪府堺市のホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺で令和元年度「全青協第52回秋の近畿・大阪大会」を「改正市場法等に対応し独自の工夫で力強く発展する地方市場」をテーマに開催した。全国から会員が約200人集い、激変・激動の中でも地方卸売市場は国内生産者の販路を開くことで国内農業の活性化を実現し国民への生鮮青果物の安定供給でより健康な食生活を実現するために、各市場の活性化につながる新事業に積極的に取り組むなど三つの大会宣言を満場一致で決議した。

月田求仁敬会長は冒頭、取り巻く環境は情報拡散のスピード化、グローバル化、消費者の生活スタイルの変化によるカット野菜や外食・中食の増加などニーズが大きく変化している中で「今後も高齢化する産地での庭先集荷などわれわれの存在はますます重要になる。特徴ある野菜・果物の集荷・供給に努力して行くとともに、独自の小回りの利く機動力を生かして変化をチャンスととらえて農産物流の中で活躍の場を広げていける」と地域に合った戦略を立てて企業の成長のために努力しようと躍進を促した。

来賓を代表して武田裕紀農林水産省食料産業局食品流通課卸売市場室室長は「改正市場法を受けて、地方卸売市場が活躍できるように全力で支援している。各地を回って気づいたことは、市場によって特徴や目指す経営方針が違うということ。改正ではそうした特徴や役割を発揮できるような制度にしたい。集荷者、卸先へのサービスを貪欲に追求して新しい市場のあり方を探ってほしい」と述べ、改正法では民設民営の卸売市場施設の改修にも予算が出るので利用してほしいとHACCP導入も含めた安全な取組みを後押しするとした。

恒例の大会宣言は北浦登志男京都府卸売市場連合会会長が行い、取組みとして「市場の活性化につながる新事業に積極的に取り組む」「環境に負荷をかけない青果物流通に努める」「被災した青果物産地の生産物を全力で販売し、被災地が完全復興するまで支援する」の三つを採択して大会宣言した。

記念講演では「知と汗と涙の近大流コミュニケーション戦略」のテーマで世耕石弘近畿大学総務部長が行い、少子化で落ち込んでいた大学受験者数がV字回復した近大のPR活動によるコミュニケーション戦略について実例を中心に紹介し、時代とともに変化し続けなくてはいけないというメッセージが参加者に響いた。(福島厚子)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

書籍紹介