無印良品 東京有明、関東最大の新旗艦店 食は適量・廃棄削減がテーマ

小売 新設・移転 2020.12.16 12160号 04面
温度・湿度管理のためガラス張りで仕切る量り売りコーナー

温度・湿度管理のためガラス張りで仕切る量り売りコーナー

毎日のメニュー提案にも取り組む青果売場

毎日のメニュー提案にも取り組む青果売場

 良品計画が3日にオープンした無印良品 東京有明(東京都江東区)は、自社商品とサービスを用いてさまざまな住空間の提案に取り組む。金井政明会長は「今後、政令指定都市のような人口の多いエリアに展開する際のモデルであり実験の場だ」と語る。(宮川耕平)

 売場面積は関東で最大の3フロア・4628平方m(約1400坪)で、いずれのフロアも住居内の生活シーンを掘り下げ、片付けサポートや、DIYやリフォームのサポート、観葉植物の月額定額サービスなど多くの新サービスを試みる。また、働く場や公共空間など街全体の空間デザインを提案する拠点としても運営していく。

 食関連の機能は1階に集約した。新たに導入した量り売りサービスでは、ナッツやコーヒー豆のほか、菓子、パスタなどオープン時点では60種類を揃えた。最低量20gから必要な分だけを購入できるようにすることで家庭内の廃棄ロス削減につなげる狙いがある。

 同コーナーは、温度・湿度をコントロールするためガラス張りで仕切られている。なお、個包装されている菓子は、本来の菓子売場にも量り売りコーナーを設けている。

 利用客は、バルク什器からセルフサービスで備え付けの紙袋に商品を入れる。いくつかの価格帯に分かれるため、はかりで計測する際には、バルクに掲示された番号を入力する必要がある。出力されたラベルを紙袋に貼り会計は他の商品と一緒に集中レジで行う。

 量り売りコーナーに隣接して、江東区と取り組む食品回収スポットを設けた。未開封かつ一定の消費期限を残したグロサリーを対象に回収し、フードバンク団体などを通して各種施設で利用してもらう。

 青果売場は、銀座店(同中央区)と同等規模で展開する。簡易のキッチンスペースを設け、仕入れた野菜を使ったレシピ提案を行う。手の込んだメニューの場合、同じフロア内で営業するカフェ業態のキッチンも活用して取り組むという。

 商品の多くには食べ方や保存の仕方を紹介するPOPを添え、家庭で使い切ってもらうためのサポートに力を入れる。量り売りや食品回収と同様、食品ロスの削減が共通テーマになっている。

 ベーカリーショップには新たにフライヤーを導入、新メニューとして揚げカレーパンを商品化した。ショップの売場面積は銀座店の2倍、品揃えを増やしイートイン席も広げた。

 ベーカリーの会計には画像認識のシステムを導入、ジューススタンドやテークアウト専用のティースタンドは端末処理でオーダーと会計を可能にした。

 各フロアの集中レジには多くのセルフレジを配備するなど、コロナ対策で顧客と従業員との接触機会を減らすと同時に業務の効率化を図る。店内にはネットで購入した商品を受け取れるロッカーも設置している。

 〈店舗概要〉▽所在地=東京都江東区有明2-1-7、有明ガーデンモール&スパ1-3階▽営業時間=午前10時~午後8時

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