新型コロナ:クラフトとNBがタッグ ビール業界が共同戦線 在庫を消毒用に

酒類 ニュース 2020.05.20 12053号 07面

新型コロナウイルスの感染拡大に対し、クラフトブルワリーとNBメーカーが手を組み立ち向かう。

外出自粛で打撃を受ける業務用向け樽詰ビールの工場内在庫を有効活用し、高濃度のアルコールに再蒸留した上で、アルコール不足に悩む茨城県内の地方公共団体に無償で寄贈する。

世界的に展開するクラフトビールブランド「常陸野ネストビール」の醸造元として知られる木内酒造(茨城県那珂市)が感染拡大が広がる4月中ごろ、県内に工場を持つアサヒ、キリンの大手NB2社に打診し実現が決まった。

木内酒造が行う地元貢献事業「BREWERIES UNITE FOR IBARAKI」に大手2社が協力する。アサヒとキリンが出荷見込みのない樽詰ビール2万4000Lを木内酒造の八郷蒸留所に配送し、アルコール分70%の高濃度エタノール1260Lに再蒸留する。製造にかかる費用は3社で分割負担する。

5月中旬以降、茨城県のほか、各社のビール工場が立地する公共団体(守谷、取手、石岡、那珂)に寄贈し、手指消毒用として使ってもらう。300ml瓶=写真=で4200本分。希望に応じて3LPETも揃える。

アサヒは守谷市に飲料も製造する茨城工場を、キリンは取手市に取手工場を保有する。キリンはこれまでにグループのクラフトビール会社スプリングバレーブルワリーを通じて木内酒造と交流を続けているほか、キリンが全国で展開する業務用クラフトビールサーバー「タップマルシェ」に常陸野ネストビールをラインアップするなど関係がある。(丸山正和)

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