漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(126)白露 草の葉先に露結ばれて
大根とホタテの塩昆布サラダ
●24節気 白露(9月8~22日)
白露(はくろ)は、草の葉先に結ばれた露のこと。日中は暑さが残っても、朝夕には涼しい風が吹く頃です。とはいえ、近年では夏が終わって9月になっても残暑が厳しいので、冷たいものや甘いものを食べ過ぎてしまうことも。そのため脾の働きを妨げ、湿邪を生じて胃もたれやむくみが出たりします。胃腸の働きを高め水分代謝を良くして、余分な水分を排出しましょう。おすすめは大根です。
中国のことわざに「冬吃〓(ロ)卜夏吃姜、不用医生開処方」があります。冬は大根、夏はしょうがを食べると、医者にかかる必要はなくなる、という意味です。でも大根は身体を冷ます食材なのに、なぜ冬の寒い時に食べると良いのか、不思議ですね。
それはこういう理由です。冬は陽気が身体の内にこもって体内の温かさを保ち、陰気が身体の外に出ます。また鍋など温かい食材をたくさん取る傾向にあるので、体内と体外を比較すると、体内の方が熱くなりすぎる傾向があるのです。そこで体内の温度の均衡を保つために身体を冷ます大根を。しかも大根は消食健脾の効能があるので、食べ過ぎたものの消化を助けます。
まだ冬には遠い季節ですが、涼しさへ向かうこの時期にも、ぴったりな食材です。
●大根
【栄養学】ジアスターゼなどの消化酵素が含まれ、生で食べると消化を促進します。食物繊維や利尿作用のあるカリウムも含みます。
【薬膳学】胃の気の巡りを良くして、食べ過ぎや老廃物がたまっている胃腸をきれいにして調子を整えます。
(東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 名取陽子(レシピも))
◆大根とホタテの塩昆布サラダ
消化を促進して余分な水分を排出
エネルギー178kcal たんぱく質10.5g 塩1.2g(1人分)
<材料・2人分>
・大根……5cm(200g)
・ホタテ貝柱(小缶)……40g
・大豆(水煮)……80g
・かいわれ大根……1/3パック(15g)
・塩昆布……5g
・マヨネーズ……大さじ2
<作り方>
(1)大根は皮をむいてせん切りにし、かいわれ大根は根元を切って半分の長さに切る。ホタテは缶汁をきって、ほぐす。
(2)ボウルにすべての材料を入れて混ぜ合わせ、器に盛る。