72候を楽しむ漢方スローライフ(118)水沢腹く堅し

2020.01.01 294号 08面
タラの和風ポトフ

タラの和風ポトフ

 冬の出口はもうすぐそこ(大寒次候 1月25~29日頃)

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 沢の水に厚く氷が張る頃。寒さは一段と厳しくなりますが、晩冬を迎え、冬のトンネルもようやく終わりに近づいています。“春はる隣どなり”は、そんな季節を表す冬の季語。雪の下から蕗の花が顔を出し、梅のつぼみも膨らみ始め、待ち焦がれた春はもうすぐそこまで来ています。

 ●「正月太り」は早めにリセット

 年末年始につい飲みすぎたり食べすぎたり……。“正月太り”が気になる時期ですね。

 中医学では、太りやすい人は体内にも不調があり、特に「胃腸」のトラブルは肥満を招く大きな要因になると考えます。胃腸は、水分代謝や身体の老廃物を排泄させる働きを担っています。そのため、働きが落ちると余分な水分や皮下脂肪が溜まりやすくなってしまうのです。

 ぽっちゃり体型はスタイルだけの問題でなく、身体の不調にもつながります。正月太りは早めにリセットして、健康体重のキープを心がけましょう。

 ●弱った「胃腸」を整える

 漢方式ダイエットは、まず弱った胃腸を元気にして代謝を上げることが基本です。食べすぎなどで調子が悪いなと感じたら、数日は胃腸にやさしい食事を心がけて。量は腹八分目、炭水化物はいつもの半量程度を目安に、野菜たっぷりのスープやみそ汁、豆腐、納豆、脂の少ない肉類などをバランスよく取りましょう。冬はしょうが湯などで胃腸を温めるのもおすすめです。

 身体に溜まった余分な水分や老廃物を取り除くよう、通便を良くすることも心がけてください。

 食材は、胃腸の働きを整えるタラ、にんじん、ブロッコリー、陳皮、排泄効果を高める大根、ごぼう、きのこ類、こんにゃく、昆布などがおすすめです。

 ◆ハレの日薬膳レシピ:タラの和風ポトフ

 身体の中に溜まった余分な水分・脂肪・老廃物は根菜類やきのこで排泄し、タラで胃腸を元気に

 エネルギー115kcal/たんぱく質16.8g/塩1.15g(1人分)

 <材料・2人分>

 ・タラ(生)……2切れ(160g)

 ・大根……120g

 ・にんじん……60g

 ・ごぼう……40g

 ・エリンギ……40g

 ・こんにゃく……40g

 ・しょうが……10g

 ・ブロッコリー……40g

 ・和風だし……小さじ1

 ・昆布……5cm角2枚

 ・陳皮パウダー……少々

 <作り方>

 (1)タラは半分に切り、大根、にんじん、ごぼう、エリンギ、こんにゃくは大きめの乱切りに、しょうがはみじん切りにする。

 (2)ブロッコリーは小分けにしておく。

 (3)鍋に昆布と水3カップを入れて、和風だし、(1)の野菜を加え、野菜がやわらかくなるまで煮る。

 (4)(3)にブロッコリー、こんにゃく、タラを入れ、アクが出たらすくう。

 (5)食べる前に陳皮をかける。

 レシピ=山田惠子(東京栄養士薬膳研究会)

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 24節気72候は、古代中国で始まった暦が日本でも取り入れられ、風土気候に合わせ明治まで使われていました。日々の中に少しずつ感じられる季節の移ろいを、楽しみましょう。

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