食品経営者フォーラム、商人舎・結城社長が講演 個性を意図的に作る業態からフォーマットへ

 10月22日に開催された日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラム10月例会で、商人舎の結城義晴代表取締役社長が「コロナは時間を早める~COVIDO-19禍の日本商戦の行方~」をテーマに講演し、「業態をフォーマットと考え直すと成長が早まる。フォーマットとは業態が分化したさまざまな形のことであり、意図的に作ると個性が出てくる。そしてコロナ禍で商品のコモディティー化が進み、ノンコモディティーな商品も合わせた圧倒的な個性が必要だ」と語った。

 結城氏は、フォーマットを意図的に作っている英国小売業のTESCO(テスコ)を事例に、テスコ・エクストラ、テスコ・スーパーストア、テスコ・メトロ、テスコ・エキスプレス、テスコ・ドット・コムとスーパーマーケット業態から細分化している現状を説明。

 また食を中心とした競争は異業種間にも広まり、ホームセンターやドラッグストアの食品販売、高級ブランドメーカーでのカフェ展開事例を説明し、コロナを経験したことでより競争が早まっていることを指摘。

 ポストコロナの時代、フォーマットを意図的に実行しながら、価格を下げなくても売れるノンコモディティーとして先鞭(せんべん)をつけた商品がお客さまから指示されるとした上で、「一番早まるのはデータ活用であり、食品販売のIDPOSデータとほかのデータ、例えば薬局の販売データを掛け合わせる、ビッグデータのコネクティングも必要だ」とし、業界も今後ますますスピードを上げる必要があるとまとめた。(阿久津裕史)

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