メニュートレンド:“ハコパン”特化で人気沸騰 パンのうまさとルウがベストマッチ
(奥)BLT スープ付き・1,000円(税抜き)、(手前)欧風ビーフカレー スープ、サラダ付き・900円(税抜き)
あえて“入りにくい店”にした外観。2階にはソファ席もあり、宴会もOK
伸びているテイクアウトのニーズ。おしゃれなBOXで用意する。※価格は店内と同額
大阪市阿倍野区にある「AGORA」は、隠れ家的な外観とともにメニューでも異彩を放つ飲食店。ランチには、パンの器にカレーなどを入れた“ハコパン”を提案し、SNSでの拡散とともに話題が沸騰。近隣をはじめ遠方からの客も多い人気店となっている。
●野菜や具入りもある全11種
昼はカフェ、夜はバーとして運営する同店のランチメニューは、“ハコパン”のみ。一般的なカフェメニューは一切ないのが特徴だ。「パンの中にカレーを入れるスタイルは、大阪でのスパイスカレーと高級食パンの人気から着想を得たもの。以前に経営していた喫茶店時代に開発して提供していました」と、松岡孝仁店主。
新店舗の開店に当たり目指したのが、ハコパンに特化した他店にはないランチ。以前は食パン1本からカットして器にしていたが、ハコパン用に高さ約10cmの小型山型パンを信頼するパン店に特注。小麦や製法にこだわり、カレーに合う少し甘めの味わいと食感に仕上げられている。
調理では、オーダーが入ってから上下にカット。それぞれをトーストし、下部はくり抜いて器に仕立てる。ちなみに、取り出したパンは、廃棄せずに活用。クルトンにして客が持ち帰れるようにしており、ちょっとした“お土産気分”が味わえるのも女性に好評だ。
カレーは全6種類で、一番人気はオーソドックスな味の「欧風ビーフカレー」。その他、「チキン」「キーマ」「マサラ黒カレー」などスパイシーな辛さも提供。あいがけや子ども向けのメニューもあり、チーズやフライ、ソーセージなどのトッピングも用意している。
食べ方は、まず蓋部分にルウを付けて、パンのモチモチ感とカレーとのマッチングを堪能。器部分は、ルウの減り具合を見つつ食べ進むというドキドキ感があり、完食での達成感と満腹感が待っている。
また、1年ほど前からは、カレーではなく、野菜や具材を楽しめるハコパンメニューも5種類開発。ロングサイズのベーコンが衝撃的な「BLT」や「ロコモコ」(スープ付き・1000円)などのボリュームあるメニューが人気という。オプションでハーフサイズのカレー(各200円)もオーダーできるので、2つの味を楽しむ人も多い。
「今後も、ハコパンの店としてメニュー開発に励み、“大阪の名物”にしたい」と、松岡店主は意欲的に語る。パンの器が広げるさらなる可能性に期待したい。
※新型コロナウイルス感染予防の自粛により、記事内容と営業概況が異なる場合があります
●店舗情報
「AGORA」 所在地=大阪市阿倍野区阪南町6-12-2/開業=2018年12月/席数=27席/営業時間=11時~15時、18時~24時。日曜休/平均客単価=昼1000円、夜2500円
●愛用資材・食材
「FAUCHONスパイス(パウダー)」 エスビー食品(東京都中央区)
“絵”になる姿が魅力
同店では、カレーに合わせて数社の業務用ルウを活用。そのベースにスパイスを加えて調味することで、目指す味へと仕上げている。愛用する同品は、「棚に並んでも“絵”になる、スタイリッシュな姿がいい」と選択。カレーのほか、ロコモコのハンバーグ、自家製ジンジャエールなどに利用している。
規格=20g~26g