多忙でも読める外食ニュース

2024.04.01 542号 04面

 ●イートアンド海外展開、中国進出に意欲

 イートアンドグループの海外事業を担うイートアンドインターナショナルは、中国・広東省における「大阪王将」ブランドの展開を目的として、中国の外食企業である袁記食品集団などと共同で合弁会社を設立すると発表した。袁記食品集団は、水ギョウザ・ワンタン・麺類を扱う主力ブランド「袁〓云〓(ユェン ジー ユン ジャオ)」などを中国国内に3500店舗以上展開する外食企業。2012年の創業から12年でこの規模に成長し、いま中国では最も注目を集める外食企業として知られる。

 解説=イートアンドインターナショナルは、2月にも香港企業とのフランチャイズ契約により、「大阪王将」を香港の商業施設に出店している。この企業とは、すでに昨年、フランチャイズ契約により別ブランドの店舗を出店済み。

 ●24年春闘、妥結相次ぐ、外食も大幅賃上げ

 2024年の春季労使交渉では、外食大手でも過去最高などで賃上げ交渉の妥結が相次いだ。ロイヤルホールディングスでは、正社員に対し1991年の労組結成以来最大となる平均7.2%(手当等含む、以下同)のベースアップを実施。すかいらーくホールディングスは、初回交渉で賃上げ総額 6.22%となる満額回答で合意した。また、ゼンショーホールディングスは正社員で平均12.2%の賃上げとなり、これで12年連続の賃上げ、直近3年間の累計は27.2%となっている。

 解説=ほかにも、王将フードサービスでは正社員の平均が11.5%の賃上げで妥結。これは過去最高であり、また労組の要求に対して1.9倍を超える満額以上の回答であった。同社では、新卒社員の初任給も大幅に引き上げている。

 ●台湾カフェ「春水堂」、F&LC支援で郊外店

 タピオカミルクティーで知られる台湾カフェ「春水堂」を展開するオアシスティーラウンジが、「スシロー」を展開するFOOD&LIFE COMPANIES(F&LC)の支援を受け、ドライブスルーを併設したロードサイド型の独立店舗を出店。同店では、ドリンクメニュー以外にも、同ブランドの本拠地である台湾で人気の「功夫(クンフー)麺」など、日本初登場となる同店舗限定のフードメニューを販売する。F&LCは、出資だけでなく店舗開発のサポートも行っている。

 解説=同店は、神奈川県の藤沢市と厚木市を結ぶ主要な県道沿いに位置する。近隣には「スターバックスコーヒー」もあり、ドライブスルーを備えた店舗としては好立地。郊外の独立店舗を得意とするF&LC社のノウハウが生かされた。

 ●日高屋が新ブランド、鶏白湯ラーメンの新店

 ラーメン「日高屋」を展開するハイデイ日高が、鶏白湯ラーメンの新業態「らーめん日高」を駅ビル商業施設に出店。濃厚な鶏白湯スープの醤油ラーメンや塩ラーメン、つけめんなどを、スープに合わせて開発した太麺で提供する。サイドメニューとして、ギョウザのほか鶏チャーシュー、鶏つくねなども取り揃え、「卵かけごはん」といった小丼のご飯ものも用意。スタンダードな醤油ラーメンや塩ラーメンは税込み700円を切る価格であり、味玉やチャーシューなどはトッピングで追加する方式。

 解説=同店は、埼玉県の東武東上線川越駅構内に付設された商業施設「エキア川越」内に出店。以前は同社の別業態が出店していた店舗をリニューアルしたものだが、店頭に大きく「鶏白湯」を掲げるなど、新ブランドを演出している。

 ●スーパーのユニー、焼肉丼の新業態

 「ドン・キホーテ」を中心とする小売グループ、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の傘下で総合スーパーなどを展開するユニーが、新業態の焼肉丼専門店「カルビ天国」を出店。出店は自社の商業施設「ポートウォークみなと」のフードコートで、5種類の牛カルビ丼のほか、定食、冷麺、焼肉弁当などを販売する。同社が直営する精肉店「ミートセンター」や肉惣菜の「肉悠」、既存の飲食事業などのノウハウを生かし、丼スタイルの焼肉を打ち出した。

 解説=ユニーは、1970年代に老舗の呉服店などが集まり設立した総合スーパーの企業であり、2019年にPPIHの子会社となった。現在は「アピタ」や「ピアゴ」などの大型店と、それらを核店舗とした商業施設を展開している。

 ●ブロンコビリーが、豚カツ企業買収

 ステーキ店「ブロンコビリー」を展開するブロンコビリーが、愛知県で豚カツ専門店など11店舗を運営するレ・ヴァンの全株式を取得し、子会社化すると発表。ブロンコビリーは2021年から豚カツ業態を展開している。

 ●モスフード社外取締役、小山薫堂氏を選任

 モスフードサービスが、「料理の鉄人」などを手掛けた放送作家の小山薫堂氏を、社外取締役に選任する人事を発表。6月に開催される株主総会と取締役会を経て正式に決定となる。多角的な視点から経営への助言などを期待。

 ●寿司「銚子丸」、豊洲に新業態

 回転寿司の「銚子丸」などを展開する銚子丸は、東京の豊洲市場に隣接する商業施設「千客万来」に新業態「鮨 Yasuke」を出店した。テーブルオーダー端末を配置し、従来店とは異なる独特の店舗デザインとメニューでインバウンド客層を狙う。

 ●ヱビスバー名駅店が、リニューアル

 サッポロライオンがJR名古屋駅にあった「ヱビスバー」をリニューアル。名古屋市・千種で90年超の歴史を誇るビヤガーデン「浩養園」にちなみ、同園の名を冠した新しい店舗となり、同園で醸造したクラフトビールや名古屋めしなどを提供する。

 ●ゼットンが横浜に、和食新ブランド

 ゼットンが、神奈川県の横浜駅近くに位置する商業施設「横浜ベイクォーター」に和食の新業態「乙こん(おっこん)」をオープン。神奈川の地元食材を使った「天ぷら」や「すき焼き」「おばんざい」などの和食と、ワインや日本酒を取り揃える。

 ●ヒューリックが開業、小型商業施設2号店

 不動産企業のヒューリックが、既存の商業施設を利用して開発する商業施設「リコパ」の2号店を開業。1号店の横浜・鶴見に続き、イトーヨーカドー川崎店の敷地を利用した。飲食テナントでは「コメダ珈琲」や「スシロー」「日高屋」などが出店。

 ●サンマルクが、新宿駅に新業態

 サンマルクホールディングスが、ベーカリーカフェの新業態「ペトリコール」を東京・新宿駅の駅ビル商業施設に出店。客席数は20席ほど、こだわりのある食材や製法で作るパンやサンドイッチと、パンとの相性を考えたドリンク類を販売する。

 ●コロワイド、デザート事業で買収

 コロワイドは、全国各地にある銘菓や名産品の事業を受け継ぎ、グループ化するための持株会社である日本銘菓総本舗の全株式を取得する譲渡契約を締結したと発表。今後の事業領域の拡大にともない、デザート事業の拡充が重要であるとの判断から。

 ●JR新宿駅に、新しい駅ナカ施設

 JR東日本の東京・新宿駅に、食関連店舗のみの新たな駅ナカ商業施設が開業。同施設は、JRの駅ビルを運営するルミネが駅構内の地下1階に開発した「EATo(イイト)ルミネ」。人気の食物販を中心に、スタンディング形式の飲食店など全28店舗が出店する。

 ●鳥貴族の店舗展開、香港と台湾へ

 鳥貴族ホールディングスが香港と台湾での店舗展開をほぼ同時に発表。いずれも現地で食品の製造・販売などを行う企業と、香港ではフランチャイズ契約により、台湾では合弁会社を設立して、「鳥貴族」店舗の出店を進める。同時期にそれぞれ現地において調印式を実施。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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