アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:最近注目の「ミレニアル世代」 自己表現よりSNSの見栄え

2020.01.06 491号 21面

ミレニアルズの世代区分(総務省「人口統計」、伊藤忠ファッションシステム「オリジナル世代区分ハンドブック」を参考に作成)

ミレニアルズの世代区分(総務省「人口統計」、伊藤忠ファッションシステム「オリジナル世代区分ハンドブック」を参考に作成)

 ファッションに限らず、世代による消費の特徴の把握は、マーケティングに不可欠です。そこで最近注目されているのが「ミレニアル世代」。一般的には、1980~2000年の間に生まれた人たちを指します。

 ●アプローチはデジタルで

 幅が広すぎるので、30歳前後と20代半ばまでの二つの層を核に見ます。共通するのはインターネット、SNS、スマートフォンが暮らしに浸透し、コミュニケーション、消費の最重要のツールになっていることです。アプローチするためには、デジタルがベースとなります。

 「モノを買わない」と言われますが、物欲がないのではないようです。むしろ、独自の視点や感覚で消費を楽しんでいます。バブル世代とは異なり、先行きが不透明で、不況が前提となっているため、現状に最適化していく志向が強い。「ブランド、トレンドよりもコストパフォーマンスに強く反応する」(伊藤忠ファッションシステム)と言われています。

 ●コミュニティーが基準

 自立・コスパ型と、他者からの評価やステータスを重視する傾向が共存しています。若者のマーケティング調査・研究を手掛けるシブヤ109ラボは「自分が周りにどう思われるかという気持ちが強い。このブランドのこの服という自己表現よりも、インスタグラムでアップする写真の色味やテーマを統一するといった映え意識が重要」と見ています。

 ブランドやこだわりよりも、トレンドは押さえつつ洋服はプチプライスで済ませて、アニメやアート、旅行など、さまざまなことに関心を持つタイプが圧倒的です。帰属するコミュニティーが基準で、会う人や気分によって変えて自己表現するファッション観が浮かび上がります。

 (繊研新聞 取締役編集局長 矢野剛)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら