多忙でも読める外食ニュース

2021.12.06 514号 04面

 ●ホットランドが秋葉原に、横丁スタイルの新業態

 ホットランドは、東京・秋葉原に4つの飲酒系ブランドを複合した店舗「秋葉原ホルモン横丁」をオープンした。同店舗は、10月に子会社化が決まった、い志井グループのノウハウを生かした新業態。い志井グループの代表ブランドである「日本再生酒場」を中心に、煮込み専門店や鉄板焼き、バーなど、ホルモン肉を扱う4つの業態を横丁スタイルにまとめた。「昭和レトロな街並み」をテーマにした内装で、居酒屋などが入居する秋葉原駅前の商業ビル4階に出店した。

 解説=い志井グループは1950年の「もつやき処い志井」からスタートし、ホルモン肉については70年以上にわたる歴史がある。同グループを傘下に収めたホットランドが、飲酒業態で新たな展開を見せるかどうかに注目が集まる。

 ●スシローのF&LC、アルバイトに奨学金制

 「スシロー」を展開するFOOD&LIFE COMPANIESは、店舗で働く大学生に向けて、返済の必要がない独自の奨学金制度をスタートしたと発表した。同社に入社した後、所定の手続きを経て審査に合格したアルバイト学生に月額2万円を支給する。応募には、4年制大学の3年生まで(通信課程や夜間学部は除く)、日本学生支援機構の奨学金を受けている、生計をともにする世帯の年収が規定以下である、などの条件があるが、卒業後に同社への就職を求めるなどの制約はない。

 解説=コロナ禍での営業制限などが解除され、一転して飲食業界では人手不足が表面化している。同社の奨学金制度は入社後の応募であり、年間で最大100人とのことなので、アルバイト応募促進のための施策という位置付けだろう。

 ●ドーナツのクリスピー、店内製造を再開

 「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が日本上陸15周年を記念して、東京・渋谷の旗艦店「渋谷シネタワー店」を大幅にリニューアルした。改装により、一時導入を取りやめていた店舗内でのドーナツ製造ラインを復活し、出来たてのドーナツを提供する。今回、同店に設置されたのは従来よりも小型の製造ラインだが、同ブランドが米国で創業以来の看板商品である「オリジナル・グレーズド」を作りたてで提供できる。また店舗のデザインにも、旗艦店としての新たな試みが採用されている。

 解説=「クリスピー・クリーム・ドーナツ」は1937年に米国で創業。現在は30ヵ国に約1500店舗を出店している。06年の日本1号店には巨大なドーナツ製造マシンが設置され、行列が途切れずに大きな話題となった。

 ●クリスプサラダ新業態、レジ会計のない販売店

 カスタムサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS」を展開するCRISP(クリスプ)が、新業態としてレジ会計のない販売店「クリスプ・ステーション」をオープンした。この店舗は、東京・千代田区の丸の内ビルディング地下にある食物販フロアに設置された、大型の冷蔵ケースのみの販売拠点。利用者はケースから自由に商品を取り出し、オフィスなどに持ち帰って食べる。商品はすべて同一価格で、支払いはその日のうちに包装に印刷されたQRコードで決済する。

 解説=2014年に創業した同社は、都内に19店舗を出店するほか、オフィスへの配送拠点を約70ヵ所展開している。サラダに特化した独自の業態と、DXを積極的に取り入れた斬新な経営方針で、メディアでも話題を呼んでいる。

 ●第一興商の新業態、寿司と天ぷら食べ放題

 居酒屋やダイニングなどを中心に多業態を展開する第一興商が、寿司と天ぷらを食べ放題で提供する新業態「鮨やハレの日」を埼玉・大宮にオープン。食べ放題の時間制限は2時間で、全81種類が食べ放題のスタンダードプランでは、男性3450円、女性2990円という価格(税抜き)を設定。全103種類に拡大したプレミアムプランは1000円増となる。同様に、1500円と2000円という2種類の飲み放題プランがあり、居酒屋的な利用を狙った業態といえるだろう。

 解説=寿司の食べ放題が人気を呼ぶことは誰もが知っているが、コスト管理が難しい業態だ。寿司のみで提供しているのは小規模店や高単価な寿司店などで、チェーン系企業では同店のように天ぷらなどと組み合わせて成立させている。

 ●ミールワークスがフォー専門店出店

 アークランドサービスホールディング傘下のミールワークスが、新業態のフォー専門店「ワン フォー ボウル」を東京・原宿に出店。立地は神宮前交差点に近く、16坪ほどの小型店で客単価は1000円前後を想定。

 ●ゴンチャ社長交代、サブウェイ元社長に

 「ゴンチャ」を展開するゴンチャ ジャパンの代表取締役社長(兼CEO)に、日本サブウェイの社長であった角田淳氏が就任した。前任の社長であった前田仁志氏は、引き続き兼務していたCFOとして取締役にとどまる。

 ●串カツ田中が初のテイクアウト店

 「串カツ田中」が初のテイクアウト専門店「串カツ田中TAKE」をオープン。デリバリーにも対応する食物販の専門店として展開する新ブランドで、ほかにカツサンドや弁当なども販売する。東京・練馬の西武鉄道上石神井駅に隣接した店舗。

 ●吉野家一部値上げ、並盛は426円に

 「吉野家」が10月末から一部商品を値上げ。牛丼の並盛は税込み387円から39円値上げされ426円となる。ほかに、丼のサイズの価格変更で「超特盛」への変更が55円の値上げとなるなど。コロナ後の原油高と米国産牛肉の価格高騰が影響。

 ●くら寿司DX養殖、水産会社を設立

 くら寿司が、DXを活用した養殖を行う水産会社「KURAおさかなファーム」を設立。自社養殖や委託養殖から卸売販売までを一貫して行う水産業の100%子会社で、AIなどの技術を導入し、水産業における人手不足や生産性の向上に対応する。

 ●すしの美登利、予約制営業の新業態

 「すしの美登利」を展開する梅丘寿司の美登利総本店が、予約制で営業する新業態「美登利 昌」を東京・世田谷の成城学園前駅近くにオープン。カウンター12席のみの小型店で、ディナータイムの営業は「おまかせコース」のみの完全予約制となる。

 ●リンガーハット、冷食自販機を拡大

 リンガーハットは、店舗に設置した自動販売機による冷凍食品の販売を拡大する。6月にスタートした「堺百舌鳥店」でのテスト販売を経て、年内には全国25店舗に広げる計画。「長崎ちゃんぽん」など6種類の冷凍食品を24時間稼働で販売する。

 ●ファーストキッチン、顔認証決済を実験

 ファーストキッチンは、東京都内の3店舗で顔認証決済の実証実験をスタートする。事前に顔認証の登録を行った利用者は、店舗で会計の際に現金やカードなどがなくても、顔をカメラに向けるだけで支払いが可能。決済方法はクレジットカードのみ。

 ●21年のコロナ経営破綻、飲食最多441件

 東京商工リサーチの集計によれば、2021年の11月半ばまでに「新型コロナ」関連で発生した経営破綻約2300件(負債1000万円以上)のうち、飲食業が441件で最多となった。また、飲食業の不振に関連する飲食料品卸売業も110件あったという。

 ●スターバックスがコーヒーメーカー開発

 スターバックスコーヒーが高級家電のバルミューダとコラボレーションし、コーヒー豆商品「スターバックスリザーブ」仕様にチューニングしたコーヒーメーカーを特別モデルとして開発。店舗で飲む味が家庭でも楽しめる。同社の店舗やオンラインストアなどでも販売。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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