焼肉特集:苦境に打ち勝つ繁盛店=新常態に対応 想定の1.5倍以上の売上げ推移

2021.01.04 503号 01面
レーンで料理が運ばれてくると、自動で扉が開く。料理を取り出し、ボタンを押すと扉が閉じる。注文していなくても料理が行き交う様子は見ていて楽しい

レーンで料理が運ばれてくると、自動で扉が開く。料理を取り出し、ボタンを押すと扉が閉じる。注文していなくても料理が行き交う様子は見ていて楽しい

EX JanJaka和牛ロール(1,280円・税抜き)リニューアルオープンのために開発されたエミフルMASAKI店でしか提供されていない商品

EX JanJaka和牛ロール(1,280円・税抜き)リニューアルオープンのために開発されたエミフルMASAKI店でしか提供されていない商品

レーンは3本導入している。お客さまが座るとすだれを下ろして半個室になる。注文はタッチパネル、料理の提供はレーンシステムで非接触を実現

レーンは3本導入している。お客さまが座るとすだれを下ろして半個室になる。注文はタッチパネル、料理の提供はレーンシステムで非接触を実現

入り口にはシンポがホームページで公開している無煙ロースターの換気能力を掲示。お客さまの安心感につながっている

入り口にはシンポがホームページで公開している無煙ロースターの換気能力を掲示。お客さまの安心感につながっている

「EX!じゃんじゃかエミフルMASAKI店」。レーン業態は「EX!」の冠を付けている

「EX!じゃんじゃかエミフルMASAKI店」。レーン業態は「EX!」の冠を付けている

 フジファミリーフーズが展開する焼肉チェーン「じゃんじゃか」は「美味しいをもっと美味しく」をコンセプトに、子どもから年配客まで幅広い層が楽しめる中四国に展開する人気ファミリー型焼肉店。「EX!じゃんじゃかエミフルMASAKI店」の2020年11月のリニューアルオープンを機に、愛媛県初のレーンシステムを導入。「リニューアル前の倍以上」「想定の1.5倍以上」の売上げで推移している。

 ●新業態「EX!」さらに進化目指す

 愛媛のローカルエリアにおいても、生活者は新型コロナ感染状況に敏感だ。「じゃんじゃか」(全29店舗)も感染拡大期は客足が遠のき、一方、数店舗で取り扱ったテイクアウトは増加、と影響は顕著だ。今後、「新しい生活様式(新常態)」の浸透が進むことを念頭に置いた対策を進めている。同店では、すだれで仕切ることで個室的な空間を創出、トングは1人1本と新常態対応のベースはすでにあった。さらに非接触のニーズにマッチしたのがレーンシステムだ。レーンシステムは、料理の注文から運ばれてくるまでの当たり前のシーンを簡単・便利かつワクワク感たっぷり、家族のハレの日を演出してくれる。「美味しいをもっと美味しく」のコンセプトに「楽しい」をプラスしたことで、幅広い年代のお客さまの支持を得ている。

 もちろんレーンシステムは、新常態対応だけで導入したわけではない。店舗の効率化を図り、お客さまへのお値打ち感の訴求、そして「人」でなければできないサービスの向上を図ることが目的だ。その積み上げてきた企業努力が、「想定の1.5倍以上」という売上げになっているのだ。レーン業態で3店舗展開しているが、「エミフルMASAKI店が完成形ではない。適正規模、オペレーションなどを研究し、検証を続け、改善を進めていく」(焼肉運営事業部・向井正俊第1地区運営マネージャー)という。スタートさせたレーン業態を、来期は業態として確立させるほか、セルフレジ導入なども視野に入れている。また、配膳ロボットの導入やデリバリー事業の拡大など、他企業の取り組みを学び、ローカルチェーンとしてできること、ローカルチェーンにしかできないことを追求し、地域のお客さまのニーズを読み取り、さらなる進化を目指す。

 ●店舗情報

 「EX!じゃんじゃかエミフルMASAKI店」

 経営=フジファミリーフーズ/店舗所在地=愛媛県伊予郡松前町筒井850/開業=20年11月/坪数・席数=104坪・132席(26卓・26ロースター)/営業時間=11時30分~14時、17時~22時30分、土日祝11時30分~22時30分/平均客単価=昼1,000円、夜3,000円

 ●愛用食材・資材

 「網ホルダー」 シンポ(名古屋市名東区)

 バッシング効率化のため工夫

 「レーンシステムで配膳は効率化できましたが、バッシングは人手がかかります。バッシングを一度で済ませるために工夫しています」(向井正俊焼肉運営事業部マネージャー)。通常店員が手に持って焼き網交換時に使用するが、自社で加工しワゴンにひっかけ、バッシング専用として使用。

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