2023年7月度、外食動向調査 フードコンサルティング
●前年比増収20ヵ月連続
日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2023年7月度売上げは前年同月比114.2%となり、20ヵ月連続の増加を記録。客数は前年同月比6.6%増、客単価も7.2%増であった。
7月は、梅雨シーズンによる雨天の日が少なかったことに加え、全国的に異常な高温が続き、火を使う家庭料理を敬遠した内食(家庭における食事)需要が外食にシフトしたことと、月後半からは夏休みが始まり、旅行や休みを利用した外食機会の増加も2桁増収に寄与した。
個別業態を見ても、長らく前年割れが続いていたスシロー(104.2%)が、昨年5月以来の前年比プラスとなったほか、焼肉のがんこ炎(99.7%)以外は、値上げの定着もあり全業態で前年比プラスになるなど、極めて好調な売上げを記録した。
●「朝活」ブームの注目店
コロナ禍を通して、夜の飲酒を伴う会食や飲み歩きが途絶えた間、早朝に活動する「朝活」を行う人が増え、朝食を家の外で食べる機会も増加中だ。特に、地方を含め都市部ではマンション建設の増加が続いており、それに伴い都市部の居住者も増加傾向にあり、「朝活」が都市部を中心に増えている。
加えて、インバウンド旅行客の復活も本格化してきており、滞在日の一部で地元レストランの朝食を利用する傾向にある。
「朝活」に伴う朝食ニーズの増加は、外食チェーンにとっても、夜間の売上げが完全には戻らない状況下においては、取り組む価値が高いのではなかろうか。特に都市部の店舗にとって、所得が高めの客層を開拓できる可能性もある。
ただし、グランドメニューそのままの提供では、来店動機にはつながらない可能性が高い。そこで、朝食メニューの参考として、都内で人気の朝食メニューを提供する店舗を紹介したい。
(1)「CIBII」
▽所在地=東京都文京区千駄木3-37-11
▽オーストラリア発のおしゃれカフェ、本店はメルボルン。「bills」や「サラベス」に続くヒットになるかも?
▽天然酵母パンにサラダを合わせたヘルシーなモーニングを提供。
(2)「eggslut」
▽所在地=東京都渋谷区代々木2-2-1、新宿サザンテラス1階
▽ニューヨーク発祥のエッグサンド(ハンバーガー)店。
▽バーガーより卵のボリュームが大きい特徴あるビジュアルと食べ応え。
(3)「築地本願寺カフェ Tsumugi」
▽所在地=東京都中央区築地3-15-1、築地本願寺インフォメーション棟
▽ホテルの朝食バイキングのような、18品目の朝食メニューを提供。
▽都内の名刹「築地本願寺」の敷地内で運営しているカフェ。
(4)「DEN」
▽所在地=東京都台東区根岸3-3-18、メゾン根岸1階
▽角食パンをくり抜いてシチューやグラタンを詰め込んだグルメパンの朝食。
▽映えるだけでなく、ボリュームもしっかりあり満足感の高い商品。