労働安全 Focus! 日研フード けがの怖さを伝えることで事故を5分の1以下に【PR】

天然調味料や粉末飲料、機能性素材の製造・販売・研究・開発を手がける日研フードでは、 労働災害防止に向け、「けがの怖さ」をリアルに伝えるドリームオーパー教材 DVD「ラクミール」を活用した教育活動を進めている。採用から3年、同社では最も多かった年の
5分の1以下まで事故を減らすことができた。


1964年に創業した日研フード。同社では一貫生産管理体制の下、畜肉や海産物、農産物からエキスを抽出し加工した「天然調味料」、インスタントティーを中心とした「粉末飲料」、また「機能性素材」の製造・販売・研究・開発を行っている。

同社では10年ほど前から、主に各現場の責任者ら約30人による安全衛生委員会を通じて主体的・計画的に労働災害防止活動を進めてきた。さらに21年からは外部コンサルタントを招くなど、段階的に活動を補強していったという。


生産本部 生産部 近藤 敦子氏
取締役 執行役員 管理本部長
小柳津 博之氏

「しかし、従業員全体に意識レベルまで安全教育を落とし込むことはなかなか難しく、大きな課題として残りました」(取締役 執行役員 管理本部長 小柳津博之氏)

実感を通じて理解する 基礎教育が必要

同社は敷地内に製品別、工程別などで分けられた10の工場がある。例えば、ある工場で発生した事故はその工場では教訓になっても、別の工場ではまた同じような事故が起きてしまう。そのような状況下で一時期、事故の件数は最も少ない年から約3倍まで増えてしまった。別の現場でのリスクを一人一人の従業員が共通認識として捉えることの重要性を痛感したという。事故が起きる原因となる類似の状況は自分たちの現場にもあるということを、全ての実務者が実感を通じて理解できるような基礎教育が必要と感じました。そのためには視覚的な刺激も重要だと考えました(生産本部 生産部 近藤敦子氏)


感情移入がしやすい

そこで、複数の教材の選定を経て採用を決めたのが「ラクミール」だった。この DVD には「工場内では走らない」「階段は手すりを持って1段ずつ昇降する」「機械を動かすときは大きな声で合図と確認をする」など「防災ルール6項目」を重点項目に、守る基準が分かりやすく構成されている。そして、最大の特徴は「けがの怖さ」リアルな映像で表現されていることだ。

〈ラクミール映像の例〉特殊メイクによる顔面のけが
〈ラクミール映像の例〉手の甲のやけど

実際の食品工場をロケ現場にして、けがの痛々しさをリアルに表現することで、視聴者自身を映像中の出演者に投影させ、類似体験をしてもらい、安全作業の重要性を脳と体に染み込ませる

また、固有の事例ではなく、どの食品工場でも起こり得る事故を再現している点も「イメージしやすい」として、ユーザーから高く評価されている。

「実際、撮影されている現場の状況も共通点が多かったので、感情移入がしやすい「イメージしやすい」と感じました」

現在 DVD は安全衛生委員会事務局から各部署に貸し出され、管理者から各スタッフまで全員で年2~3回のぺースで視聴されている。集合での視聴のほか、勤務時間内の空き時間を使い、各自が個室型ワークブースにノートパソコンを持ち込んでの視聴もあるという。「視聴後は規定の報告書様式に入力し、ワークフローシステムで提出してもらうか、週間報告書の中で感想や学んだことを書いてもらっています。合間の時間を使って見られますし、何度も繰り返し視聴する上でもちょうどよい長さの映像だと思います」(同)

実際に視聴していた若手スタッフにも感想を聞いてみた。

個室型ワークブースでラクミールを視聴する若手スタッフ

「傷口のシーンなど、痛々しさが伝わり、『こんなけがをしたくない』と強く頭に刻まれました。実務的には安全に作業するためにはどうするのか、具体的で分かりやすいアドバイスが示されていたことがよかったです」


事故件数が5分の1以下に

採用から3年、ラクミールの視聴を含めた取り組みを通じて、事故の件数は、最も多くなった年から5分の1以下まで減った。「実際、それまで最も少なかった年よりも減っています。従業員自身も事故が減ったことを実感しているようです。それから勤務中だけでなく、例えば通勤途中の階段にも転倒や転落のリスクがあるということを認識できるようになったのも大きな意識の変化だといえます」(小柳津取締役)

「自身を守る」ということに対して敏感になったことは、安全に行動するための、いわば前提条件が得られたといえるだろう。

従業員一人一人が防災ルールの6頭目を忘れず作業に向き合うとともに、『自分自身が労災事故に遭ったら?』『けがをしたら?』とイメージし、実務者レベルで対策考えて行動する風土が育っています」(近藤氏)


従業員の命を守るために

現在の課題は安全パトロールのレベルをより上げるため、どのような場所や状況をチェックすれば危険の可能性を指摘できるのか、目線合わせができる教育を行うこと。また、小柳津取締役と近藤氏は今後、次のことにも力を入れたいと強調する。

従業員の命を守るという観点から、安全衛生委員会の役割をさらに広げていきたいと考えています」(小柳津取締役)

不安全行動を完全になくすことは不可能ですが、注意喚起できる取り組みはさらに強化したいと考えています。特に生産性の上がる近道行動などの不安全行動は『良いこと』 として引き継がれてしまうケースもあるので、教育活動を通じてどういった危険性があるのか全員で考え、実務者にとって安全でかつ作業しやすい手順やルールを、一丸となって作っていきたいと思います」(近藤氏)


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