メニュートレンド:物語性のあるメニュー インバウンドにも人気のヴィーガンカレー
バングラディシュ風ひよこ豆カレー 1,320円(税込み) コメにも物語がある。山形県新庄産の「さわのはな」という品種で、現在は一般には流通していない。山形の農家から直接仕入れている。創業当時からカフェスローで提供している玄米はすべてこれ
メニューを差別化するには、食材、調理法、盛り付けなどを特徴づけるのが一般的だが、「どうやってこのメニューが誕生したのか?」「どんな人がメニュー作りに関わったのか?」「このメニューを提供する店がどうしてできたのか?」など、メニューの背景にある物語性も差別化の要因となる。「カフェスロー」の「バングラディシュ風ひよこ豆カレー」はそんなメニューだ。
「実は、このカレー、今から20年以上前に、私の友人がバングラディシュの留学生から教わったもの。それを私が教えてもらって、家で作ったら家族が何回もお代わりするし、遊びに来てくれたカフェスロースタッフに出したら、とても評判がよくて…。それで、わが家のカレーとして何度も作っていたんですね。『カフェスロー』のカレーは、そのレシピがベースになっています」とメニュー誕生の物語を話すのは、「カフェスロー」の開店に携わった深津高子さん。
同店は、オーガニック食材を使ったカフェをメインにした多目的スペース。音楽・トークイベント、展示会なども開催している。
「オーガニックカフェの運営や自然食品、フェアトレード商品の販売を通して、地球に負荷をかけないスローライフを提案していきたい」と代表の吉岡淳さん。その考え方が少しずつ広まり、コロナで店の存続が危ぶまれた際には、「お店をつぶさないで」とお客たちが集まってクラウドファンディングのサポートも。また、最近では、ヴィーガンメニューを提供する店として海外のサイトでも紹介され、外国人観光客の来店も多い。
メニュー誕生のいきさつや店に込められた思いなど、一皿に物語がある「バングラディシュ風ひよこ豆カレー」は、ここでしか食べることのできない唯一無二のメニューといえるだろう。
●店舗情報
「カフェスロー」
所在地=東京都国分寺市東元町2-20-10/開業=2001年/坪数・席数=約110坪・60席/営業時間=11時~17時(イベントがある土曜日は15時まで)。月・木曜休/平均客単価=1650円/1日平均集客数=65人
●愛用食材・資材
「有機ガラムマサラ」 エヌ・ハーベスト(東京都杉並区)
ヴィーガンカレーには欠かせない
オーガニックとフェアトレードを会社理念とし、有機JAS認定を取得しているエヌ・ハーベスト社の商品。有機栽培されたガラムマサラをパウダー状にしたスパイス。カフェスローのカレーは、ターメリック、クミン、コリアンダー、ガラムマサラの4種類のスパイスを使用。
規格=1kg