多忙でも読める外食ニュース

2024.07.01 545号 04面

 ●モダンメキシカンの店 NYの「フォンダ」上陸

 ニューヨークのメキシコ料理レストラン「フォンダ」が、東京・銀座に初出店した。同店は、マンハッタンやブルックリンなどに4店舗を展開するモダンメキシカンのファインダイニング。2009年にニューヨークのモダン中国料理「ジョーズ シャンハイ」を日本に上陸させ、現在3店舗を展開する企業が、新たに同じニューヨークから洗練されたメキシコ料理のレストランを誘致した。店舗デザインにも、海外ブランドの日本店舗などを手掛けたデザイナーを起用。

 解説=同店の運営会社であるジョーズシャンハイジャパンは、米国で音楽ビジネスを手掛けていた梅野貴典氏が経営する。これまでモダンメキシカンのカテゴリーでは圧倒的な強さを見せていたHUGEと、どのような戦いになるか。

 ●ホットランド子会社 純喫茶の新業態

 ホットランドの子会社であるオールウェイズが、ホットランド創業の地である群馬県桐生市に、新業態の純喫茶「ロビンソン」をオープンした。かつて日本全国に存在していた喫茶店の雰囲気を再現した同店は、店頭にメニューの商品サンプルを入れたショーケースを置き、カウンター席を設けるなど、店舗のデザインからこだわりを見せている。メニューにも、プリンやレモンスカッシュ、フルーツパフェなどの喫茶メニューを導入。朝8時からの営業で、トーストなどのモーニングも提供する。

 解説=「日本再生酒場」や「銀だこ酒場」など、レトロなスタイルの居酒屋を中心に展開してきたオールウェイズだが、今回は「純喫茶」という新たな昭和レトロに取り組んだ。飲酒主体ではない新業態が多店舗化となるのか注目される。

 ●米国の投資ファンド 日本KFCにTOB

 米国の投資ファンドであるカーライルが5月、日本KFCホールディングスを株式公開買付け(TOB)により買収すると発表した。カーライルは事前に、三菱商事が約35%を所有する日本KFCホールディングスの株式を取得する独占的な権利を確保。7月にかけて子会社を通じたTOBを実施し、この買収で最終的に日本KFCホールディングスの完全子会社化と株式の上場廃止を目的としている。また、日本KFCホールディングスはこのTOBに賛同の意向を表明し、応募を推奨した。

 解説=カーライルは、日本でも居酒屋チェーン「チムニー」などで外食事業の運営に関する経験値が高い。今回のTOBに関しても、すでに出店戦略の見直しやメニューなどの拡充、DXの活用といった改善施策の方針案を提案している。

 ●日本マクドナルド またメガFC誕生

 日本マクドナルドは、神奈川県の直営店の一部と既存のフランチャイズ(FC)店舗、合わせて94店舗を新設のFC企業FFFJのFC店舗に移行する。FC店に移行する直営店は40店舗で、既存の実績からFFFJの売上高はおよそ240億円超となる。また、今年3月に日本マクドナルドホールディングスの取締役に就任したトーマス・コウ氏が、日本マクドナルドの社長に就任する人事が発表された。同氏は1975年生まれ。過去に日本マクドナルドの執行役員を務めた経験もある。

 解説=同社は、2000年代の半ば過ぎから直営店のFC化を推し進めてきた。08年には千葉県の直営店約90店舗をFC化しているが、今回はそれに匹敵する規模となる。現在、全店約3000店舗のうち直営店は3割ほど。

 ●横浜赤レンガ倉庫に 生演奏ステーキ店誕生

 神奈川・横浜港の観光型商業施設として有名な「横浜赤レンガ倉庫」に、「UNICOFFEE」などの外食ブランドを展開する横浜の企業GRACEが、ステーキとシーフードのレストラン「Re:Wharf(リワーフ)」をオープン。米国産の牛肉を使用したニューヨークスタイルのステーキのほか、地元の魚介類などを使った料理を提供する。週末や祝日にはジャズの生演奏も実施する予定。同社は2022年にリブランディングを実施し、「再生カンパニー」というビジョンを掲げている。

 解説=同店は、2022年に惜しまれつつ閉店したライブレストラン「モーション・ブルー・ヨコハマ」跡区画への出店だ。楽器事業が創業事業であるGRACEが、ジャズライブの老舗店跡地でどのような展開を見せるか興味深い。

 ●フォンス「酢重」が寿司業態を初出店

 相模鉄道などからなる相鉄グループが開業した「相鉄ホテルズ ザ・スプラジール横浜」に、フォンスが「酢重の鮨」をオープン。寿司業態は「酢重」ブランド初の取り組みとなる。横浜駅に直結し、幅広いニーズに対応するホテル。

 ●物語コーポレーション、香港に子会社設立

 「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」などを展開する物語コーポレーションが、香港に100%子会社を設立。社名は物語香港有限公司、資本金は日本円にして3億円超で、代表取締役専務執行役員の岡田雅道氏が社長を務める。

 ●焼そば「長田本庄軒」 都内に再進出

 トリドールホールディングス傘下のトリドールジャパンが展開する焼そば専門店「長田本庄軒」が、江戸川区西葛西への出店で東京都内に再進出。同ブランドは、2022年に立川駅のエキナカ店舗が撤退したため、東京都内の店舗がなくなっていた。

 ●ロイヤルホストが初の海外直営店

 「ロイヤルホスト」が、初の海外直営店をシンガポールに出店。ロイヤルホールディングスが資本業務提携を取り交わした双日と共同出資する現地法人により、チャンギ国際空港に隣接する商業施設「ジュエルチャンギエアポート」への出店となる。

 ●六本木「アマンド」リニューアルを実施

 立地のよさと目立つ外観で待ち合わせのシンボルとして知られる東京・六本木の喫茶「アマンド六本木店」が、開業60周年を記念してリニューアルを実施。同店を運営するアマンドは1946年の創業、現在はキーコーヒーグループの傘下にある。

 ●ラーメン「せたが屋」韓国に1号店

 吉野家ホールディングスの傘下でラーメン店を展開するせたが屋は、韓国の大邱市にある商業施設「新世界百貨店」内に韓国1号店を出店した。店名は「せたが屋」だが、メニューは国内の「ひるがお」ブランドで提供している商品をベースにしたもの。

 ●スプリングバレー東京 全館ニューアル

 キリンホールディングス傘下のスプリングバレーブルワリーが、運営するクラフトビールのブルワリー併設店舗「スプリングバレーブルワリー東京」を全館リニューアル。2フロアの店舗を初心者向けとファン層向けに分け、それぞれ異なる営業を行う。

 ●「ホノルルコーヒー」六本木に期間限定店

 日本に再上陸した「ホノルルコーヒー」が、今秋の旗艦店出店を前に、東京・六本木の商業施設「東京ミッドタウン」に期間限定のポップアップストアをオープン。季節限定のコーヒー豆や、限定グッズなども販売。期間は6月後半から8月後半まで。

 ●メキシコの人気料理店 東京ドームに1号店

 メキシコ、ユカタン半島のリゾート地にある人気メキシコ料理店「Don Chava(ドンチャバ)」が、東京ドームシティ内のフードホールに海外1号店を出店。店舗の運営は、アルコール類の輸入販売や飲食店経営を行うワールドリカーインポーターズとザート商会。

 ●渋谷の銀行店舗に「スタバ」出店

 三井住友銀行が東京・渋谷に開業した新しいスタイルの店舗「オリーブ ラウンジ」内に「スターバックス」が出店。「オリーブ ラウンジ」は、他のテナントと共存することでオープンなスペースとして開放された銀行店舗で、ほかにコワーキングスペースなども出店する。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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