第56回食品産業功労賞/第32回食品安全安心・環境貢献賞 歴史に残る功績たたえる
第56回食品産業功労賞と第32回食品安全安心・環境貢献賞の贈呈式・交流会が7日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開かれ、歴史に残る偉大な功績を残した受賞者、社会貢献や環境保全の先駆的な取組みで実績を挙げた受賞企業をたたえた。
食品界の有力者や政・官・学から約300人が受賞を祝うために参集した。会場では宮下一郎農林水産大臣が祝辞を述べた。贈呈式では食品産業功労賞を受賞した山東昭子前参議院議長・参議院議員が代表謝辞を、齋藤健前法務大臣・元農林水産大臣が祝辞を述べた。交流会でも石破茂元農林水産大臣、宮路拓馬衆議院議員、片山さつき参議院議員が祝辞を述べたほか、赤松広隆元農林水産大臣、山本有二元農林水産大臣、山本左近衆議院議員が会場に駆け付けた。贈呈式・交流会合わせて4人の元農林水産大臣が訪れた。
贈呈式では食品産業功労賞を受賞した19氏に日本食糧新聞社の今野正義会長CEOが、食品安全安心・環境貢献賞を受賞3企業に杉田尚社長が日本食糧新聞社を代表して記念品を贈った。=15日付に詳報(本宮康博、山本仁、吉岡勇樹)
◆祝辞
農林水産大臣 宮下一郎氏 持続性確保へ施策
食品産業功労賞、食品安全安心・環境貢献賞を受賞された皆さま、誠におめでとうございます。
わが国の食品産業は、農林水産業と合わせて全経済活動の国内生産額の約10%を占め、私たちの豊かな食生活を支え、全国各地で雇用を生み出す重要な産業です。皆さまが提供する食は、世界からお客さまを引きつける日本の大きな魅力となっています。
一方、持続性に配慮した産業への移行に向け、原材料調達先の多角化や国産原材料の利用促進、生産性の向上、輸出拡大などを通じて体質強化を図っていく必要があります。原料価格が高騰する中、安定供給を実現していくため、生産・流通・加工・小売の各段階を通じた持続可能性を確保していく必要があり、各段階での適正な価格形成が不可欠です。
これらの課題を踏まえ、農林水産省では制定から四半世紀を迎える食料・農業・農村基本法の見直しに着手しており、6月に決定された「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」に沿い、今後、食品産業の持続的な発展のために必要な施策を講じてまいります。
◆業界代表祝辞
食品産業センター 堀切功章会長 知見、功績に学ぶ
食品産業功労賞を受賞されました19人の皆さまは環境が大きく変化する中、的確な経営のかじ取りをされ、商品開発や卓越したマーケティング、ブランドの創造、価値向上、技術研究、流通や外食で新たな展開、さらには食育の推進など多様な分野で活躍してこられました。受賞者の皆さま方に敬意を表しますとともに、食品産業界の発展に大きな功績を残されたことに感謝を申し上げます。
食品安全安心・環境貢献賞を受賞されました3社さまは、まさにサステナビリティの模範です。今回の受賞を契機にさらに発展されますことを期待しています。
政府では農政および食品産業政策の根幹となる、食料・農業・農村基本法の改定に向けた作業が進められています。私ども食品産業センターも参画して食料安全保障、人口減少社会への対応、環境人権への配慮など中長期的な観点からの食品産業の将来展望が行われています。大きな環境変化の時代こそ受賞の皆さまの知見、功績に学んで消費者、社会に必要とされる食品産業の展開が必要であるとあらためて感じました。
◆ごあいさつ
日本食糧新聞社 代表取締役会長CEO 今野正義 ひときわ光る存在
農林水産省の後援による「食品産業功労賞」は今回で56回目を数え、半世紀を超えた顕彰制度です。本日の受賞の19人を加え、受賞者総数は延べ707人となりました。受賞の皆さまは「産業の新価値」「生活や産業活性化」など各分野で多大な功績を残しました。
「食品安全安心・環境貢献賞」は日本食糧新聞創刊50周年記念に制定、今回で32回目となりました。食品の安全安心・環境対応は未来への最重要テーマで欠かせぬ挑戦課題です。受賞3社は企業の社会的責任を各分野や部門でひときわ光る存在と行動力を果たしました。
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