スピカコンサルティング渡邉智博氏に聞く 企業価値を高める令和時代の経営戦略とは
書籍「VALUE UP 食品業界編」発刊【PR】

令和時代の経営戦略は、売上げ・利益の追求だけでなく企業価値を高めることが求められている。訪日外国人(インバウンド)の増加に伴い、世界中で日本食ブームは加速、これからが成長のチャンスだ。一方で、外食、食品製造業の多くは事業の成長・拡大にあたり適切なタイミングでの投資が難しいジレンマを抱えている。

スピカコンサルティングは9月30日、「VALUE UP(バリューアップ)成功事例でわかる業界特化型M&Aと企業価値向上戦略 食品業界編」を発刊した。これを記念して10月にセミナーも開催(URL:https://spicon.co.jp/lp/202410special_book/)する。企業価値経営に特化した内容で、中小食品企業こそ備えておくべき専門的な知見をまとめている。

同社は、企業価値を最大化する「バリューアップコンサルティング」と「業界特化型M&A」に取り組んでおり食品業界をはじめ各業界に特化した実績あるコンサルタントが在籍している。同社執行役員渡邉智博氏に企業価値を高める経営戦略を聞いた。


売上げ至上経営から企業価値経営へのシフト

昨今の日本食ブームにより、海外展開は大手企業だけの戦略ではなくなった。長年愛されてきた商品や新たにブームを生み出すブランドなど、クオリティの高い日本ブランドが各国で求められている。

企業の価値を高める指標は時代とともに変化してきた。日本の食品業界は成熟しているからこそ、新たな投資に目が向きにくく、例えば外食産業では店舗数を増やして売上げを伸ばす経営が一般化してきた。こうした中、国内外で成長を続ける食品企業は営業利益率や、ROE・ROIといったグローバルスタンダードな経営指標に注力して、企業価値を高めている。そのための有効な手段としてM&Aが活用されている。今回の書籍では実例をもとに企業価値の高め方を紹介しているのでぜひ手にとっていただきたい。

食品業界は、創業時に愛情をもって商品を企画する。社名や商品にもこだわりがあるためM&Aでは、子会社の形で株式を譲渡して社名、従業員、商品をそのまま引き継ぐケースが多い。

スピカコンサルティング 執行役員 渡邉智博氏

企業価値を最大化し、チャンスを逃さない 成長戦略のM&Aを提案

M&Aに対して経営難のイメージを持つ人もいる。実際には赤字会社の売却は困難で、成約する多くの会社が黒字だ。最近は譲渡する人が若くなってきた。パートナーを得て会社を安定させ、成長させるための譲渡で、社長自身も残り続けるケースも多い。

特にSNSの時代になり、よい商品は口コミ等で想像以上のスピードで盛り上がり、新規の出店要請や他店から卸してほしいと要望が来る。だが、創業時は資金に余裕がなく、初めから大きい工場で製造はしないし、外食も追加の出店にかかる資金や採用コストを考えると、人気店だとしても、そこまでの資力がない。こうしたケースは経営者もジレンマを抱えている。世の中から評価されるビジネスを生み出したのに、その機会を生かせない。そこで大手と組むことで経営課題の解決を図る。譲受企業の支援を受けて出店、あるいは譲り受けた先が持つ工場で商品を作ることが増えた。

同業など親しい間柄で経営を引き受けることもあるが、議論や事前確認が十分でなく、譲受後のトラブルが懸念される。例えば、工場が違法物件となっているケースなどだ。増改築などの際、建築申請書の確認書がないと違法だが、稀に漏れている。後から申請することはできないため、違法になっているものを知らずに引き受けてしまうリスクがある。また、実際に聞いていた話と違い財務状況がよくないこともある。

こうした場合、業界に詳しい者が調査し、事前に論点を整理することでトラブルを防ぐことができる。譲受企業に財務状況はもちろん、労務や法務なども正しくチェックできる体制があれば相対でのM&Aもいいが、中小企業ほどその体制はない。そこで、業界に特化したM&Aコンサルタントを利用することで、M&Aをスムーズに進行できる。


M&Aは会社の成長のためのポジティブな手段

時代の変化は速く、経営スピードが求められる中で、どこかと組むことでそれを乗り越えられる。100年の歴史があるような老舗も同様だ。日本の食品業界はおいしいものを作りたいと創業する人が多く、経営をしたかったわけではない。新人にはひたすら技術を教え、いざ自身が引退するときに、“職人は育成してきたが、経営者教育をしていなかった”と気付くケースも多い。

経営のうまい人に継いでもらい、ものを作ることに集中できる環境を作る目的で大手と組む企業もある。最近はM&Aをすることは会社を伸ばすための手段の一つだという観点に変わってきた。自社の経営資源では、IT化や金融の力を使うなどが出来ずに外部環境の変化についていけず、思い出の味や地域の名産品が消えていく。これを解決するには、M&Aはポジティブな手段だ。


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●概要

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