天然素材の売り手と買い手をDXでつなぐ 住友化学、マッチング・プラットフォーム「Biondo」提供開始【PR】
住友化学は、成分分析データを利用して天然素材の売り手と買い手をつなぐデジタル・プラットフォーム「Biondo」(ビオンド)を7月にリリースした。Biondoは、DXを利用して「天然素材を売りたい事業者」と「天然素材を探している事業者」をつなぐマッチングの場を提供する。Biondoは2024年10月23~25日に開催される「食品開発展」に出展予定。
食料由来の廃棄物は年間約2400万tに及ぶといわれている。もし、廃棄されている天然素材に健康や美容に関連する成分が含有されていることが明らかになれば、その機能性を利用した新商品開発の糸口が見つかるかもしれない。そうなれば、廃棄物は「貴重な天然資源=未利用資源」となり、リサイクルやアップサイクルでの利用が促進される可能性が高まる。そうした活動が広がれば、食品廃棄の削減、地球環境への負荷低減、ひいてはSDGsへの波及効果なども期待される。もちろん、すでに原料として利用されている天然素材の新たな機能性の発見にも活用できる。
天然素材の価値発見と有効活用に貢献
住友化学が開発した「Biondo」は、「自社で取り扱っている天然素材に新たな付加価値を見つけたい」「廃棄している未利用資源や食品残渣を有効活用したい」と考えている「素材の売り手」と、「機能性を持つ天然資源を原料として新商品を開発したい」と考えている「天然素材の買い手」をつなぐ、マッチングの機会を提供するプラットフォームである。
マッチングのキーワードは「天然素材の機能性」だ。「自社が取り扱っている天然素材に、機能性が期待できる物質が含まれていないか?」といった可能性を模索している事業者は、Biondoに自社の野菜や果物、あるいはそれらの加工物や発生する廃棄物などを、成分分析の結果とともに登録する。「何かしらの機能性が報告されている成分を含む天然素材を利用したい」「ユニークな素材や未利用資源を使って新商品を開発したい」と考えている加工業者や開発担当者は、素材が登録されたデータベースを閲覧して、自社の目的に合致する素材を探すことができる。=図1
200種類の成分分析を無償対応
Biondoの最大の特徴は、約200種類の化合物を対象とした成分分析と、それらのデータをもとに構築する「素材検索データベース」である。
Biondoに天然素材の成分分析を依頼すると、まずは約200種類の化合物を対象とした網羅的成分分析が行われる(この分析依頼は無償)。分析終了後、BiondoのWebサイトから2種類のレポートを閲覧できる。レポートは、簡易な内容(多く含有する成分名や、それらの機能性を簡単に説明したレポート)であれば無償、定量データや機能性の詳細を希望する場合は有償での発行となる。住友化学の担当者は「例えば『現在は廃棄している食材に、何か機能性はないだろうか?』といった興味でも構わないので、まずは分析をご依頼いただきたい。Biondoを介して、新たな取引先とのマッチングのシーズを見つけてほしい」という。
この分析結果は、Biondoのデータベースに登録・公開される(ユーザー登録は無償、成分分析結果の閲覧は有償)。素材の買い手側は、素材に含まれる成分、それら成分の機能性などの情報を閲覧して、新たなビジネスの可能性を秘めた天然素材を探すことができる。住友化学のDX技術を駆使して構築されたデータベースは、検索機能が充実している。成分名や機能性からそれら成分を含む素材を検索することもできるし、素材名から検索することもできる。
また、素材を検索する場合、成分分析の結果やそれらの機能性に関する情報をはじめ、産地や取引可能量などの情報も入手できる。なお、データベースは直観的に操作できる画面デザインなので、誰でも簡単に情報検索ができる。さらに、成分や機能性に関するデータは、機能性表示食品制度で登録されている商品の情報にもひも付けされている。そのため「類似の機能性表示食品がないか調べたい」といったニーズにも応えてくれる。=図2
循環型社会実現に貢献
Biondoは、成分分析の結果や成分の機能性に関する情報をもとに、売り手と買い手をつなぎ、効率的に新たなビジネスパートナーを見つける場を提供する。住友化学がこれまで培ってきたデジタル技術、バイオ技術、環境負荷低減技術などを活用して開発されたシステムで、そのビジョンは「資源を中心に、人をつなぐ。ビジネスをつなぐ。そして、持続可能な未来へつなぐ」。
データベースの素材数はすでに450種を超えており、生鮮品をはじめ、抽出物などの加工品、生薬原料、加工残さなどさまざまな素材が登録されている。サービス開始に伴い、有償サービスに関しても特別価格で提供。売り手と買い手双方の利用者が増えることで、あらゆる天然素材を有効活用できるデジタル・プラットフォームを目指す。