店内で野菜を 栽培ユニットが日本上陸 サミット、販売開始

小売 ニュース 2021.02.03 12182号 10面
栽培ユニットの前で足を止め高い関心で購入する客

栽培ユニットの前で足を止め高い関心で購入する客

店内栽培で収穫し、最も新鮮なまま販売する

店内栽培で収穫し、最も新鮮なまま販売する

 店内で野菜栽培ユニットを展開する「Infarm-Indoor Urban Farming(インファーム)」は、東京都内3店の食品スーパー(SM)を皮切りに日本での展開を始め、4月までに首都圏で複数店舗の展開も予定する。店内栽培で生産と消費が近いため、最新技術で育成した栄養素が高く新鮮な野菜を販売でき、食品ロス削減にもつながる。1月26日に販売を開始した「サミットストア五反野店」で報道陣に公開した。

 ドイツのベルリンに本社のあるインファームは世界10ヵ国と30の都市で事業を展開する。今回、日本での展開はアジア初にもなる。同社の日本法人の平石郁生社長は「東京や大阪などで(導入)店舗も増やしたい。ハブも拡大する」と日本での事業拡大に意欲を見せる。

 同社の栽培技術は高効率の垂直農法ユニットとIoT(モノのインターネット化)や機械学習を組み合わせ、最適な光量や空気、栄養素で栽培するエコシステムで最新の技術で遠隔管理している。

 サミットストア五反野店ではイタリアンバジルとパクチー、クリスタルレタスを販売する。ユニットの投資や運営、栽培はインファームが担い、設置場所を提供したサミットが野菜を販売する。

 拠点となるハブで苗まで育成し、店内の栽培ユニットに移し植え、育った野菜を根が付いたまま育った野菜を収穫し、次の新しい苗を植える。購入後も容器に根を浸しておけば、4~5日は新鮮な状態を保てるという。

 インファームによれば、土壌の栽培と比較して99.5%減の土地、95%減の水、90%減の輸送距離で環境負荷を低減している。1ユニットで250平方mに相当する農地で収穫できる量の野菜を栽培でき、郊外に立地する植物工場と比較しても輸送が短いため環境負荷を低減できるという。

 サミットストア五反野店のほか、1月19日に「紀ノ国屋インターナショナル(青山店)」、23日にも「Daily Table KINOKUNIYA西荻窪駅店」でも販売を開始している。(山本仁)

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