多忙でも読める外食ニュース

2023.10.02 536号 12面

 ●「ペッパーランチ」が派生ブランド連続出店

 「ペッパーランチ」を展開するホットパレットが、派生ブランドの「ペッパーランチPLUS」を次々と出店。同ブランドは、ご飯と一緒に提供する「ペッパーライス」のバリエーションを増やし、ステーキなどのメニューを削減して、よりファストフードのスタイルを強調した新業態。8月から9月にかけて既存の「ペッパーランチ」店舗を転換し、東京・三鷹、大阪・茨木、東京・新小岩、埼玉・大宮、同・久喜、東京・曳舟、大阪・堺に7店舗を連続してオープン。

 解説=外食利用者のライフスタイルが大きく変化する中で、既存店舗を業態転換することで新ブランドを立ち上げる外食企業が増えている。新規店の出店よりも、複数の新ブランド店舗を素早くオープンできるというメリットは大きい。

 ●ダイナックの新業態 中華居酒屋の大型店

 ダイナックが新業態「上海沸騰屋台(しゃんはいふっとうやたい)鶴亀酒家」を横浜駅近くに出店。同店は中国料理の定番メニューを揃えた中華居酒屋の大型店で、鉄鍋餃子や油淋豚、土鍋鶏そばなど、少しアレンジを加えたメニューが特徴だ。同社は昨年から、「焼鳥 ハレツバメ」「釣宿酒場 マヅメ」「北国とミルク」「鮨ト酒 日々晴々」「純けい焼鳥 ニドサンド」「&BEEF」「THE R.C.」「元祖海老出汁 もんじゃのえびせん」など、多数の新ブランドを出店している。

 解説=業態転換を含め昨年春から次々と新ブランドを立ち上げている同社は、現在、展開するブランドが50を超えている。これまで、ほぼ洋食と和食の業態が中心だった同社が、今後本格的な中国料理の分野に進出するのか興味深い。

 ●ドンキ展開のPPIH 渋谷に新たな商業施設

 「ドン・キホーテ」「ユニー」などを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが、東京・渋谷に大型複合施設「道玄坂通」を開業。同施設は、渋谷駅から延びる道玄坂と文化村通りに挟まれた敷地に建ち、上層階はホテルとオフィス、地上2層が商業フロアとなる。商業フロアには、「ドン・キホーテ」の新業態「ドミセ」や「猿田彦珈琲」「ゴンチャ」のほか、米国・シアトルのハンバーガー店「Lil Woody’s」の日本1号店など12店舗が入居している。

 解説=東京都心などでは相変わらず新しい商業施設の開発が進んでいるが、商業施設に出店できるテナントのブランドは次第に限定されてきている。大衆ゾーンの購買力が向上しないと、小売・外食の市場は冷え込んでいく可能性もある。

 ●ラーメン店の倒産 過去最多の可能性も

 東京商工リサーチの調査によると、2023年1月~8月の「ラーメン店」の倒産(負債1000万円以上)件数は28件であり、前年同期の3.5倍と大幅に増加している。これはすでに22年の年間倒産件数を上回っており、21年の年間倒産件数と同数になる数字。もしこのペースが継続するようであれば、過去15年間で最多であった13年の年間倒産件数42件を超える可能性もありそうだ。また、この28件のうちコロナ関連の倒産は半数以上を占めているという。

 解説=「コロナ関連の倒産」とは自己申告によるものと思われるが、実際には、コロナ対策の支援措置が縮小・終了したと同時に、食材費やエネルギー費が高騰したことが大きな要因となったのだろう。今後の動向には注意が必要だ。

 ●吉野家が実証実験 ドローン配送検討

 吉野家はドローンを活用する物流企業NEXT DELIVERYと共同で、「吉野家」の店舗から市街地上空を経由し、ドローンで牛丼弁当を配送する実証実験を行った。実施したのはすでにドローン配送の導入を検討している石川県小松市。「吉野家」の小松店から2.5km離れた郊外のイベント会場まで、1配送で4個の弁当を搭載して約6分で飛行する。同型の機種では、最大で5kgを搭載し20 まで飛行可能という。災害支援なども含めたドローン配送の可能性を探るものだ。

 解説=吉野家はすでに2021年に、NEXT DELIVERYの親会社エアロネクストと山梨県の山間部でドローン配送の実験を行ってきた。エアロネクストはセイノーホールディングス(西濃運輸)と資本業務提携を締結している。

 ●ウーバーイーツ24時間営業開始

 Uber Eats(ウーバーイーツ)は8月から全国の主要12都市で24時間営業を開始した。コンビニや松屋、吉野家など24時間営業の店舗が利用できる。同サービスでは従来、深夜から早朝の配達は行っていなかった。

 ●Dダイニング新業態「焼鳥トリフク食堂」

 ダイヤモンドダイニングが、新業態「焼鳥トリフク食堂」を東京・台場の商業施設に出店。焼き鳥に加えて鶏肉を使った定食などを提供し、居酒屋と定食屋として利用できる。既存の居酒屋「鳥福」からのスピンオフブランド。

 ●「ぐるなび」サイト “楽天”付き名称に

 飲食店情報サイト「ぐるなび」が、「楽天ぐるなび」と名称を変更。サイトを運営するぐるなびは、2018年に楽天グループと資本業務提携契約を締結。「楽天ポイント」が貯まるサイトとして、ぐるなび会員IDと楽天IDとの連携を進めている。

 ●イオンモールが自由が丘にSC開業

 イオンモールが東京・自由が丘に都市型の商業施設「自由が丘 デュ アオーネ」を開業。核テナントの食品スーパー「ピーコックストア」のほか、小籠包の「鼎泰豊」やサンマルクグループの新業態カフェなど、合計26店舗のテナントが出店する。

 ●不二家ブランド刷新 店舗リニューアルも

 不二家が、「不二家洋菓子店」のブランドリニューアルを実施。「F」の字をあしらったコーポレートロゴはそのままに、新たに「スマイルマーク」を採用し、店舗ロゴや包材、商品パッケージなどを切り替える。店舗のリニューアルも実施する予定。

 ●丸亀製麺の取り組み 廃油を航空燃料に

 トリドールホールディングスは、「丸亀製麺」などの店舗で発生した使用済み食用油を、国産の「持続可能な航空燃料(SAF)」製造の原料として供給するため、関連企業と基本合意書を締結した。使用済み廃油のリサイクルに代わる新しい取り組み。

 ●カインズのマフィン 販売数2千万個突破

 ホームセンター「カインズ」内で飲食サービス「カフェブリッコ」を運営するカインズフードサービスは、看板商品の「マフィン」が累計販売数2000万個を突破したと発表。2015年に導入し、現在では年間で約475万個を売る人気商品。

 ●ロイヤルホストにキッチンセット導入

 ロイヤルホールディングスは、2023年の1月~6月に「グラスディッシュウォッシャー」「ライスロボ」「電解水」という“キッチン3点セット”を「ロイヤルホスト」の半数の店舗に導入したと発表した。下半期には全店に導入の予定という。

 ●肉達人企業eatopia ステーキの新業態

 食品スーパー「ロピア」のOICグループ傘下にあるeatopiaホールディングスが、神奈川・川崎にステーキ専門店「THE BIFTEKI」を出店。同社は「本店山科」「中勢以」などの肉料理店を展開。「ロピア」は精肉売場が充実していることで人気が高い。

 ●串カツ田中HD スポンサー制度導入

 串カツ田中ホールディングスは新しい社内評価制度の導入にあたって、各店舗の地元企業がスポンサーとなる仕組みを立ち上げる。複数プランがあり、金額により半年~1年間、スポンサー企業割引や従業員のユニフォームに社名ロゴが掲載されるなどの特典を得られる。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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