業界TOPICS:農林水産省推進「米粉フェア」開催
●米粉で拡大する新たな食文化に期待
農林水産省が展開している「米・米粉消費拡大推進プロジェクト」では、大手外食チェーン、全国の飲食店と連携し、11月から2024年2月29日までの期間限定で「米粉を使ったメニューフェア」を開催する。食料安全保障の重要性が高まっているなか、国内で自給可能なコメ、米粉の消費拡大を図り、農林水産省は8月から「米・米粉消費拡大対策事業」の一環として、同プロジェクトを推進している。
農林水産省農産局穀物課、葛原祐介米麦流通加工対策室長は同フェアの記者会見で「日本の食を支えているのはコメ。稲作と日本の文化は結び付いている。しかし食生活が変化し、1人当たりのコメの年間消費量は1962年度には118.3kgだったのが、2022年度は50.9kgにまで減ってしまった」と、コメの消費量が年々減り続けている現状を語った。その上で、「食生活が多様化している今、これまでとは違うコメの食べ方が必要。米粉は小麦粉と同様に活用できる。米粉のよさを生かした料理を拡大し、新しい食文化につなげたい」と、米粉から生まれる食文化の可能性に期待を寄せた。
かつての米粉は品種や製粉方法が確立されておらず小麦粉の代替利用には課題が多かったが、最近では米粉に適した品種が開発され、加工技術も進化した。小麦粉と同等レベルの粒が細かい「新用途米粉」が一般的になり、品質の高いパン、ケーキ、麺類などを作ることができるようになっている。
「米粉を使ったメニューフェア」で米粉を使ったメニューを展開する店舗は全国計1300店舗以上。同フェアに賛同し、米粉メニューを販売する大手外食店からは「サクッとした軽い食感の天ぷらに仕上がる」(和食さと)、「米粉を加えたギョウザの皮はもちっとした食感が魅力」(リンガーハット)、「小麦粉だけのドーナツと比べ、米粉を加えると軽くほのかな甘味が出る」(クリスピー・クリーム・ドーナツ)、「米粉は保水率が高いため、通常のベーグルよりもさらにしっとり、もっちり感がアップする」(BAGEL&BAGEL)といった多くのメリットが挙がった。