オマライス～天使の海老を添えて～　1,800円（税込み）　10、11月のオムライス。オマールエビのうまみを濃縮させた自家製アメリケーヌソースをたっぷり合わせた。ニューカレドニア産の天使のエビをのせた盛り付けもインパクトあり

客席前の鉄板上でバターライスを調理し、卵2個を使ってオムレツを焼く。天使のエビも鉄板で焼き、バーナーであぶって盛り付け

重厚なカウンターを配置した本格BARだが、そのカウンター越しには鉄板を設置。鉄板で料理を仕上げるパフォーマンスは見ていて飽きない

【愛用食材・資材】「ヘネシー V.S.O.P」輸入者＝モエ・ヘネシー・ディアジオ（東京都千代田区）

　オムライスは洋食の中でも人気1、2位を争うメニューだろう。これを目の前の鉄板で調理してくれるというのだから、テンションが上がらないはずはない。鉄板焼き「IL Terra（イルテラ）」の名物メニューは、カウンター越しに設置された鉄板で仕上げるオムライスだ。手際よく調理されるその様子は楽しく、BAR業態でありながら9割のお客が注文するという。

　●ライブ感がたまらない　BARカウンターで調理

　各種アルコールを揃えた本格BARでありながら、カウンター内側の鉄板でステーキなどを焼いて提供するスタイルが珍しい「IL Terra」。「もともとBAR業態を考えていたが、せっかくBARをやるのなら、奥の調理場にこもるのではなく接客しながら調理がしたかった」と、福島裕人オーナーシェフは言う。「鉄板焼き+BAR」の組み合わせもユニークだが、その名物メニューが「オムライス」というのが何とも面白い。

　福島オーナーシェフはかつて、焼き野菜などの和風料理を提供する別店舗の鉄板焼き店で修業していた。その際、コース料理のメインで出していた「とんぺい焼き」の調理技術を習得するため、鉄板で卵を焼く練習を重ねていたという。その練習をランチメニューで生かせないか、と考え「ランチにとんぺい焼きは合わない」と、鉄板焼きで作るオムライスの提供を開始したところ大好評。これを受け、2019年にオープンした「IL Terra」でレギュラーメニューに採用した。

　目の前の鉄板で料理が仕上がるライブ感はやはり楽しい。それがおなじみのオムライスとなると、わくわく感も格別だろう。オムライスは当然のように一番人気の名物料理となった。

　同店のオムライスは、卵を軸にさまざまなソースを組み合わせ、多彩に展開している。福島オーナーシェフの発想力で、2ヵ月ごとの時季メニューや1日5食限定（100食で販売終了）の新作などアレンジが幅広い。これまでに提供されたメニュー例を見ても、4種のチーズを加えて煮込んだホワイトソースとチキンライスを合わせた「濃厚！クワトロチーズオムライス」や、自家製デミグラスソースにたっぷりのキノコをミキサーして煮込んだ「元祖おっさんのオムライス」、シーザーサラダに照り焼き鶏もも肉を立体的に盛った「そびえ立つ！照り焼きチキンのサラダオムライス」と、遊び心がある。

　ランチの時間帯における各種オムライスの日販は約22食。夜のBARの時間帯でも9割のお客が注文するというから、「目の前で鉄板調理するオムライス」の魅力は強い。

　●店舗情報

　「鉄板焼きIL Terra」

　所在地＝大阪市北区中崎西4-2-30／開業＝2019年11月／席数＝40席／営業時間＝12時～15時30分（火～土曜）、18時～24時（月～土曜）。日曜休／平均客単価＝昼3000円、夜7000円／1日平均集客数＝30～40人

　●愛用食材・資材

　「ヘネシー　V.S.O.P」　輸入者＝モエ・ヘネシー・ディアジオ（東京都千代田区）

　味に絶大な信頼

　日本で長く愛されている日本限定ブレンドのブランデー。同店ではアメリケーヌソースの隠し味や、天使のエビのフランベにも使用。「BARで勤務していた頃から親しんできた。料理に活用するのは珍しいかもしれないが、『間違いない味』と絶大な信頼を寄せている」と、福島オーナーシェフは話す。

　規格＝700ml