メニュートレンド:ノンアルの新潮流は英国流 ドリンクのテコ入れに手応え

2023.10.02 536号 02面
モクテル 6種類・全品750円(税込み)

モクテル 6種類・全品750円(税込み)

彩りよい具材感が映える

彩りよい具材感が映える

 「若者の飲酒離れ」が叫ばれて久しく、成人1人当たり酒類消費量は1992年対比で約7割に落ち込んでいるという。飲食店にとってドリンクは利益の要。黙って見ているわけにはいかない。そんな課題を解決すべく「焼肉トラジ」(68店舗)は、イギリス生まれの「モクテル」のラインアップに乗り出した。ノンアルコールドリンクの新潮流として期待されるモクテルの可能性を追った。

 ●1店舗平均月販116杯

 イギリス生まれの「モクテル」とは、「Mock(モック=まねた)」と「Cocktail(カクテル)」を合わせた造語であり、ノンアルコール・カクテルの新しい呼び方として世界に広がり始めている。作り方はコンセプトに合わせて自由自在。フレーバーシロップやフルーツ、ソーダやトニックを組み合わせて独自メニューを創造できるほか、カクテル同様にシェイカーでブレンドするなど、独自性と本格感を演出して単価アップを実現できる。

 同店は6月21日から約30店舗で6種類のモクテルをテスト導入したところ、7月単月で合計約3500杯(1店舗平均116杯)を販売。売上高は約260万円に達した。特に若い女性から人気が高く、今後は全店導入する方針だという。

 商品開発者の梅松大輔氏は「そもそも若者は飲酒が嫌いなのではなく『飲酒で酔うのを警戒している』と考えるべき。また、情報と価値に敏感なので『なんとなく』という妥協的な注文もしない。そうしたセンシティブかつシビアな世代観がモクテルの起爆剤になりそう」と推測する。

 一方、モクテルの台頭を予感させる既存ドリンクの注文増加もあった。一昨年、試しに「クラフト・コーラ」をメニュー化したところ、当初は全く売れなかったが、今年に入りオーダー機運に火が付いた。昨今はソフトドリンクの一番人気だという。金信彦社長は「いままで当たり前だったソフトドリンクのメニューを見直す好機。モクテルは集客と利益をアップさせる目玉になりうる」と太鼓判を押す。

 ●店舗情報

 「焼肉トラジ」

 経営=トラジ/本社所在地=東京都江東区辰巳3-7-26 サンイースト辰巳/創業=1995年/店舗数=68店舗(2022年6月期)/社員数=202人(同)/年商=75億7000万円(同)/ストアブランド=焼肉トラジ、トラジ食堂、焼肉ビストロ牛印など

 ●愛用食材・資材

 「1883MAISON ROUTIN(メゾン・ルータン)」 輸入販売代理店・デニオ総合研究所(東京都港区)

 55種類の仏産シロップ

 世界の食通を魅了しているフランス産シロップ。フレーバーは約55種類。アルプスの天然水をベースにサトウキビ100%の甘味を用いて防腐剤や保存料は不使用。美しく芳醇かつ透き通った風味は「一度口にすると忘れることができない」と評判。ハラール、ヴィーガン、コーシャ認定取得。

 規格=1.77kg

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