東北つゆ特集

調味 2022.06.13

 春夏商戦で重要な商品となるめんつゆの動きが活発化する時期となった。麺はもちろん煮物、鍋物、そして今なら山菜など出番は多い。東北の食卓に欠かすことができないめんつゆは醤油を超える調味料といってよい。子どものころから慣れ親しんだ味は忘れられず、味覚のDNAは受け継がれていく。数多く並ぶつゆで好みが分かれ、価格ではなく地元メーカーに手が伸びるのもむべなるかなというところ。
 しかしそうはいうものの、1.8Lの売上構成比は年々下がり、大手ヤマキは19年度終売に至った。売上げに貢献してきた大容量の落ち込みをどうカバーしていくのか、各社腐心してきた。売場は価格競争が日常化している1.8Lに替わり、具の入ったもの、中華、イタリアンと麺用ソースが年々増え、麺も乾麺から冷凍、チルドと簡便さと、時間軸で選ばれている。
 伝統的な食文化と新しい食べ方提案で裾野を広げていくめんつゆは、メーカーにとっても商品開発、メニュー提案で重要なカテゴリーになっているといえる。(東北支局長=三沢篤)