日鉄ソリューションズの食品会社向け計画系SCMクラウドサービス「PPPlan」 マルハニチロが導入し加工食品すべてで需給管理と在庫適正化【PR】
日鉄ソリューションズ(NSSOL)は2022年10月に、食品会社向け計画系SCM(サプライチェーンマネジメント)クラウドサービス「PPPlan(ピーピープラン)」をリリースした。計画系業務(需要予測・販売・出荷・補充・在庫・生産)の基盤となるクラウド型アプリケーションサービスで、生販計画の連動と適正化、在庫計画の適正化、情報の見える化などの実現が可能で、主にこの3つの課題解決を目指したもの。市場では在庫不足による欠品が許されない商習慣がある一方、SDGsの観点からフードロス削減の取り組みも必須で、より精度の高い需給計画が求められている。また、過剰在庫の適正化、販売機会低減による損失防止、物流コストの削減を目的とした計画系業務のシステム高度化が求められている。PPPlanは、NSSOLが過去に30社以上の大手食品・飲料会社でSIを導入した実績から作ったもので、製造委託先の工場、取引先も活用できる。
マルハニチロがPPPlanを導入しSCM計画・在庫最適化を実現した事例を紹介する。
需給管理と在庫適正化にPPPlan導入
マルハニチロは、世界最大規模の水産物サプライヤーで冷凍食品や缶詰など加工食品の製造販売でも国内トップクラスのシェアを誇る。同社は、加工食品のSCMを効率化するため、2023年4月に「PPPlan」を新しい需給管理システムとして稼働させた。
見込み生産型の加工食品部門で、需給管理業務を高度化し在庫の適正化を図ることがねらいだ。従来は欠品が起こらないように製造から出荷までの各段階でそれぞれ在庫を多めに持つ傾向があった。その一方で、予想を超える需要が生じることもあり、その場合は限られた在庫をどの取引先に割り振るかを調整しなければならなくなっていた。需給状態には波動がありこれに合わせ、在庫をより的確にコントロールしたいと考えていた。
在庫量の決め方や需給管理業務に関する部門間の情報伝達にも解決しなければならない課題があった。導入以前は、安全在庫量を用いた客観的な基準や計算を行う仕組みがなく、加工食品部門の4つの事業担当者が各自の経験を基に表計算ソフトで個別に対応していた。需給状況が変化したとき、部門内外と調整するための情報伝達をメールや電話に依存していたため調整に時間がかかっていた。
全体構想提案を評価
これらの課題に対し、PPPlanが同社の業務要求を満たし、需給管理システムとしてNSSOLが販売管理や生産管理と連携する全体構想を提案したことを評価した。同社は複数ベンダーのソリューション提案を比較検討していたが、NSSOLを開発パートナーに選定しPPPlanの導入を決めた。
2022年1月に導入プロジェクトがスタートし、仕様確認、システムテスト、現場教育などを経て、2023年4月に市販冷凍食品500品目を対象に業務利用を開始した。
今回のプロジェクトには、安全在庫の基準を決め、4つの事業で異なっていた需給管理のやり方を標準化するという側面もあった。単に新しい需給管理システムを導入するだけでなく、それを活用していかに業務を回すか、現場が納得する新しい業務ルールをどう策定するかという点に力を入れていた。
NSSOLは同社の現場に踏み込んで、毎日のようにやり取りしながら業務プロセスや標準化の検討に協力した。
PPPlan管理を加工食品すべてに拡大
新システムの稼働で、需給調整業務の生産性は確実に向上し、在庫適正化の面でも大きく改善した。PPPlanには前年実績と直近の出荷量の傾向を基に出荷計画の統計予想をする機能があり、これを参考に出荷計画を効率的に立てられるようになった。在庫水準を適正化するには出荷計画の精度を上げる必要があり、計画と実績の差異を見つけて対処するサイクルを回すことで、出荷計画の精度を上げていく考えだ。発注から出荷までのスケジュールがシステム上で一元管理されたことで、出荷計画を急きょ変更しなければならない状況になっても、以前に比べて営業、物流など関係部門の対応がスピーディーになった。
今後は新システムの管理対象を大幅に広げる計画で2023年度末までに、缶詰や業務用冷凍食品などを含めた加工食品部門のほぼすべてにあたる3000品目をPPPlanで管理する予定。同社は、今後もNSSOLに幅広い提案と協力を期待しているという。
※NSSOL、PPPlanは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。