日本とEUとのEPA発効から5周年 EU産食品が手頃な価格に 日本向け輸出額は30%の大幅増【PR】
今年は、日本とEU(欧州連合)とのEPA(経済連携協定)発効から5周年の節目を迎えている。2019年2月のEPA締結効果で、EU産の食材や飲料の輸入関税が撤廃され、酒類、乳製品、肉類、菓子などのEU産品が以前より手頃な価格で入手できるようになった。2022年の農産物・食品の日本向け輸出額は、EPA発効前の2018年比で30%の大幅増となった。
「It is the perfect match!」テーマにオーガニック・GI製品を紹介
EUは、3月5~8日に東京ビッグサイトで開催された「FOODEX JAPAN 2024(第49回国際食品・飲料展)」に、EUとしては2019年の初回から5回めの出展となった。イタリア、スペイン、フランスなどのEU加盟各国もそれぞれ大規模なパビリオンを出展、特産品や料理、調味料、酒類などを幅広く紹介した。EUパビリオンでは、「EUと日本の食材が出合うとき It is the perfect match!」をテーマに、EUの政策でもあるオーガニック、PGI(地理的表示保護)製品といった付加価値のある製品を選定してプロモーションした。EUは、2019~22年にも同テーマでプロモーションを展開し、成功を収めた実績があり、本物、安全、高品質、持続可能をコアに引き続きパーフェクトマッチプログラムを展開中だ。
政策的にも食文化もパーフェクトマッチ
EUパビリオンオープニングセレモニーは、FOODEX初日の5日午後に行われた。
駐日欧州連合代表部ジャン=エリック・パケ大使はEUパビリオンについて、「EUは多様性を誇っており、300以上の選りすぐりのEUからの製品が展示されている。日本とEUは類を見ないほど強く友情と信頼で結ばれた関係がある。EUの人々は日本の製品が大好きで、日本の人々もEUの食品が大好きだ。さらにEPAが結ばれて5周年を迎える。PGIについても試みが進み、2023年には大阪のワインが新たにPGI認定を受けた。買い物の仕方や生活様式も変化している。その中でも日本とEUの友好は続いている」と述べた。
またEUパビリオンのテーマが“Perfect match”であることについて、「政策的なパーフェクトマッチと食文化のパーフェクトマッチの意味合いがある。今後も各イベントでEUの食事を楽しんでほしい」とあいさつした。
歓迎スピーチでは、農林水産省農林水産審議官小川良介氏が「昨年は日本の和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて10周年だった。他方、EUはフランスの美食文化、イタリア・スペインの地中海料理、ベルギービールなどと、無形文化遺産の宝庫となっている。これはEUも日本も食を単に生存に必要な栄養を摂るためのものではなく、カルチャーとして位置付けていることの証左であると思う。日本とEUのEPA発効から5周年になる。パケ大使が、今年のテーマはパーフェクトマッチだと説明した。FOODEXの機会を利用して両方の食文化の交流が一層促進されることを祈念する」とあいさつした。
円安下でもプライスよりクオリティで勝負
日本食糧新聞の単独インタビューでパケ大使は、EUパビリオンではEU製品を日本で販売している方々に会うことができうれしく思っていると語った。また、年を追うごとに過去の成功、評判に基づいてEUから参加する会社が増えているという。FOODEXはEUにとって農業・農産物の最も重要なイベントと考えていると話した。
2019年のEPAが発効した年から2022年までパーフェクトマッチプログラムを展開、成功を収め今もその成功は継続しているという。「EUと日本の製品とのマリアージュ、ハーモニーが結ばれた実績がある。本物、安全、高品質、持続性が柱になっている。(EPA発効で)日本の消費者はEU製品が手に入りやすくなった。EU製品を使って日本の食文化を豊かにすることを目標にしている。EPA発効前と比べ、2022年の日本向け輸出金額は30%増加し、パーフェクトマッチプログラムは成功したといえる」(パケ大使)。
EUパビリオンでは、加盟各国のチーズ、オリーブオイル、肉類など、EUの政策であるオーガニック製品、GI製品といった付加価値のある特に高品質の製品をセレクトして紹介した。
円安の状況についてパケ大使は、難しい側面もあるがゼロタックスや税関のルール変更などEPAが後押しし日本でのビジネスがやりやすくなった面もあると述べ、「信頼、ブランドがあることが大切。為替が変動すれば価格競争力が出てくることも考えられるが、われわれはプライスよりクオリティで勝負している」と話した。