船出から10年、次世代につなぐ 「TSSS2024」10月開催 花岡和佳男シーフードレガシー社長に聞く【PR】

環境持続性と社会的責任が追及された水産物であるサステナブル・シーフードを主題に置く、「東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)」が、10月8~10日に開催される。それまでサステナビリティのコンセプトがほとんど浸透していなかった日本の水産業界はこの間で大きなパラダイムシフトを経験し、サステナブル・シーフードへの理解は浸透してきている。第10回目を迎える今回は、これまでムーブメントをけん引してきたステークホルダーたちに加え、業界を担う次世代にバトンをつなぐプログラムを用意。日本だけでなくアジアのサステナブル・シーフードのハブとして拡大への期待も高まるTSSSについて、主催者である花岡和佳男シーフードレガシー社長に聞いた。

シーフードレガシー 代表取締役社長 花岡和佳男氏

「TSSS2024」は、「サステナブルシーフードを主流に」をメインテーマとしているが、ここに至るまでの10年間は、日本の水産業界の意識変革の10年間だったと、花岡社長は振り返る。2015年に開催された第1回目の参加者は約400人。今や「サステナビリティを無視した企業経営はない」(花岡社長)時世まで浸透してきた。この間、政府も18年に「漁業法」を約70年ぶりに改正、20年には「水産流通適正化法」を成立させるなど、法制度面での整備が進んだ。金融機関もESG投融資を重視する機運が高まり、ムーブメントは着実に広まっている。「ビジネスの力を使って、川下からのバイイングパワーを活用して生産現場のインセンティブを変える」(花岡社長)ことを目指してきた同社の貢献も大きい。


今回の「TSSS2024」では、同社のセオリーオブチェンジ(社会変革のための計画設計と評価、ToC)の柱でもある3つのポイントについて、国内外からのスピーカーと共に議論を深める。初日である10月8日は、「マーケット・トランスフォーメーション」(市場改革)について多彩な取組みを紹介。伊藤順朗セブン&アイ・ホールディングス副社長による基調講演に始まり、乱獲・IUU漁業・人権侵害という三大脅威から水産業界の未来を守るビジネス・イニシアチブについて、多くの有識者が登壇する。9日は、「ポリシー・シフト」(政策転換)に焦点。森健水産庁長官、枝元真徹大日本水産会会長、坂本雅信全国漁業協同組合連合会代表理事会長をはじめ、10年間の歩みの中で、ついにサステナブル・シーフードの主流化に欠かせないキープレイヤ―たちが一堂に会し、サステナビリティ追求の本質に切り込む。最終日となる10日は、「ファイナンス・エンゲージメント」を主眼に、ESG投融資への関心を高める日本の金融機関が立つ現状を共有。日本・アジア圏における水産業の持続的成長産業化に必要な資金調達などについて議論を行う。最終日のセッションでは、次世代のリーダーたちが参加し、「この10年間をどう受け止めて、次の10年をつくっていくのか」について研さんを深める。

「東京サステナブルシーフード・サミット2023」
熱心に聞き入る受講者

花岡社長は、これまでの10年間を通してメーカーや小売業の中に、サステナビリティに関する健全な競争関係が生まれてきていると分析。海外からの日本の取組みに対する評価と期待も高まりつつあることに手応えを感じており、今後はTSSSも展開エリアの拡大なども視野に入れる。「これまで頑張ってきたステークホルダーが築いてきた土台を共有した上で、次の10年、あるいは30年までの5年間を描こうという形にしていきたい」(花岡社長)と意欲を燃やす。


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