「農業で広がるビジネスの可能性」 参入するなら大分県へ【PR】
手厚い体制で高い定着率、食品関連企業に期待
大分県は農業を成長産業にするため、企業的経営者を創造していくことに注力してきた。近年は県内の農業生産者の高齢化が顕著に。企業にも担い手になってもらいつつ、大規模農業を広げていく必要がある。そんな背景から、2007年より専門部署を設け、企業の農業参入を支援してきた。県庁に4人、各エリアの振興局に1人ずつ計10人を配置。この人数は、県の支援体制としてもトップレベルだと自負する。県の各部署を横断するプロジェクトチームも設置。同年以降の参入実績は累計で370社を超える。参入企業の定着率は8割以上となっている。さらに、大分県の農業産出額のうち約13%を参入企業が担う。業種別参入件数でみると、建設、卸売・小売、農業・畜産の順。品目別参入割合は、野菜(49.9%)、果樹(13.3%)、米麦類(10.6%)となっている。
大分県が今、期待をするのが食品関連企業の参入だ。特に、既存のコア事業とのシナジー効果が見込める場合、「農業参入の魅力が大きいのでは」とみている。例えば、自社商品の原料確保手段として、農業を始める企業もある。世界情勢に影響される輸入調達、国内農業者高齢化などがこのような動きを後押ししている。県としてもそう考えているところだ。
地理的条件、エリアによって個性
地理的条件で、県内各エリアにそれぞれ特徴がある点も強み。例えば、九重町飯田には冷涼な高標高地に農地が広がり、近年の夏季の高温対策として高原で野菜栽培が可能である。県南エリアの佐伯市蒲江は年平均気温17.5℃。冬が温暖で晴天が多く、沿岸部ではかんきつ栽培が盛ん。県北エリアは瀬戸内海気候区に属し、温暖少雨な地域で白ネギや果樹、水稲・麦が栽培されている。変化に富んだ地形や気候により、ネギやキャベツなどの周年栽培や、レモン、キウイフルーツ等さまざまな作物の栽培が可能。国東半島宇佐地域では、クヌギ林やため池を活用した伝統的な農林水産業システムが2013年に世界農業遺産に認定された。高速道路のほか、空路や海路もあり、九州内だけでなく幅広いエリアでの出荷が可能。
農地取得、経営計画策定、栽培技術指導など幅広く支援
異業種から参入する場面では、進め方に悩む企業も多い。そこで、県としては品目選定、農地確保、経営計画策定、農業人材のマッチングなどきめ細かいサポートを行っている。特に問い合わせが多いのが、農地取得や参入に際しての会社組織のあり方だ。こうした部分に対しても、15年以上におよぶ支援経験の蓄積、手厚い人員体制を生かし対応している。推進品目としては、ネギ類、ピーマン、高糖度カンショなどがあり、栽培に関しては農業普及指導員の技術支援も受けられる。このほか、例えばイチゴやレモンなどでの参入で、園芸ハウス図面づくりや園地設計などでも支援を行う。また、大規模経営でのポイントとなる省力化を意識した植栽設計、農薬散布、資材調達といった内容も対象領域だ。
県からの支援に関しては、実際参入企業からも、「ワンストップで対応してもらえる」「やりたいことが実現できる農地がみつかるまで根気強く探索、提案してくれた」「参入後も、栽培技術に関して丁寧な指導をしてもらえありがたかった」など喜びの声が寄せられている。
人材確保へ向けては、農業大学校や高校と連携しマッチング実施
人材課題解決へのニーズに対しては、大分県立農業大学校、農業系学科をもつ高校などとのマッチングも実施する。農業大学校出身の学生は、機械の技術免許をもっているため、そこが喜ばれる事例も目立つという。農業大学校の卒業生の中には、雇用就農を希望する学生も多い。そうした学生のうち、半分以上は参入企業で就職しているという。実際、卒業生にとってのメリットもある。農業参入する企業には、コア事業など農業以外の事業が存在。「グループの一つとして農業を手がける企業は、農業法人単体に比べ、親御さんにとっても安心感があるのでは」と県としてはそうみている。また、リクルートの幅が広がった事例もある。例えば2018年に佐伯市に参入し、香料原料としてのレモン栽培に取り組む小川香料では、もともと化学系の学生からの採用がメインだった。それが農業参入をきっかけに、従来接点の少なかった農学系の学生の採用も増えている。
参入しやすい環境づくりにも注力
さらに企業参入を支援しつつ、同時並行で進めるのが「大規模園芸団地の形成」だ。目安として各市町単位に一つ、10ha規模の園芸団地をつくっていきたい考え。これは、複数の大規模経営体参入に備えた動きだ。用水施設など、共同利用設備を完備。大型トラックなどが通行できる農道も整備する。その先では、管理作業などの効率化、新規就農時の初期投資軽減、集出荷のアクセス性向上など多くのメリットが見込める。現在候補地をリストアップし、市町と検討を進めている最中だ。このように農地の面でも、より企業が農業参入しやすい環境の整備に努めている。
また、大分県農業法人協会を紹介し、農業生産者同士のネットワークづくりも推奨する。現在会員54社のうち3分の1は参入企業が占める。県外から参入しても、同じ苦労が理解し合える相談相手がいる。そのような環境づくりも意識的に行っている。
大分県は食品関連企業へ向けたメッセージとして、「世界の経済成長、人口増加に伴う食料需給のひっ迫する中の、日本の人口減少や農業従事者の高齢化等といった社会情勢の中で、企業の発展の一つのきっかけとして農業参入をビジネスチャンスとして検討してもらえたら。参入支援の経験が長い分、撤退を決める企業の様子も観察してきた。企業の失敗事例を分析しながら、支援策を検討してきた点も大分県の大きな強み。参入を決められた後には、県をあげて心配や不安に寄り添っていく。企業のブランディング、国内農業活性化、地域貢献といった切り口からも、ぜひ大分県での農業参入を考えてほしい」とコメントしている。
【参入企業の声】
大分サンヨーフーズ 東照寺忍代表取締役社長
当グループでは、営業部門はサンヨーフーズ(東京都)、加工部門は長野サンヨーフーズ(長野県)と存在していましたが栽培部門がありませんでした。当時は質の良いユズ原料の確保が課題に。「食の原点は農にある」「地元に貢献したい」との考えもありました。そのような中、グループ会社のオーナーが大分県杵築市出身であることがきっかけで、大分県から企業の農業参入に関する情報提供を受けました。その後、大分県杵築市の荒廃園地を取得し、農業事業を行う大分サンヨーフーズ(杵築市)を設立。これにより栽培から加工・販売の一貫した体系が確立されました。現在はユズ、梅、大麦若葉を栽培。全敷地面積は30haとなっています。
農地確保や基盤整備、事業計画作成など、行政、関係機関等多方面からご支援いただき、短期間での参入が実現できました。参入後の栽培においても土壌改良、大規模栽培に対応した栽培体系や防除体系などに関するフォローアップが充実。お陰様で、当初の事業計画どおりの生産量を達成できています。
お問い合わせ
大分県農林水産部 新規就業・経営体支援課 企業参入支援班
TEL:097-506-3587
E-mail:a15270@pref.oita.lg.jp
アンケート
企業の農業参入にご興味のある方は下記アンケートにお答えください(2025年1月末まで)。
今後、大分県から企業の農業参入に関する情報発信を受け取ることができます。
URL:https://forms.gle/YFqmzdSnEU7eeEAv8
セミナーのご案内
2024年12月18日に大分県主催で、企業の農業参入に関するウェブセミナーを実施予定です。
詳しくは大分県ホームページをご覧ください(11月下旬情報掲載予定)。
URL:https://www.pref.oita.jp/site/sannyu/
企業参入支援班