EUオンラインセミナーレポート【PR】
東京・ブリュッセル結び205人 品質・安全・本物へ理解深める
欧州連合(EU)が東京とベルギーのブリュッセルを結び4月19、20日の2日間開催したオンラインセミナーには事前登録146人、当日59人の205人が参加した。EUの農産品政策の品質、安全、本物の三つの主要な柱に焦点を当てた専門家らによる説明を通じて、参加者はEUの食品・飲料の品質、安全基準の主要点についての理解を深めた。
オンラインセミナーは「EUはどのように農産品の高い品質と安全基準を確保しているか」と題して行われた。開催に当たりEUを代表して開会の辞を述べた駐日EU代表部のパトリシア・フロア駐日EU特命全権大使は、同セミナーの目的を「第1にEU農産品の安全と品質基準の高さについて日本の皆さまにより深く知っていただくこと、第2に日EU経済連携協定(EPA)によってすでに強化された日本とEU相互の関係をさらに強いものにすること」と説明した。また、「日本とEUはともに協力して開かれた公正で持続可能な、気候変動に配慮した貿易を推進していくという明確なメッセージを世界に発信した」と日EU・EPAの意義を強調した。その上で「さらに関税の撤廃または削減、数多くの貿易障壁の撤去、日EU間の農産品に対する基準の高度な調和の追求により、日本と欧州の企業が新たな市場で事業を広げていく好機を提供し、同時に消費者により安価でおいしい食品・飲料を楽しむ選択肢を広げる」とオンラインセミナーを契機とした今後の展開に期待を示した。
初日はそのほか、農林水産省の大澤誠農林水産審議官、欧州委員会を代表してウォルフガング・ブルチャ農業・農村開発総局長が開会に当たりあいさつした。大澤氏は、EPAによる関税の削減・撤廃により、EUの対日輸出はパンデミック発生前に比べて2%増加して約1億7500万ユーロとなり、ワインを含むアルコールが7%増、チーズが3%増となったことに言及、新型コロナウイルスが食品業界に与えた影響を振り返り、日EU経済交流とパートナーシップの継続の重要性を強調した。ブルチャ氏は農薬、反微生物剤、肥料への依存を減らし、有機農業を拡大、動物福祉を改善し、生物多様性の損失を逆転させるという主要分野に取り組む「ファーム・ツー・フォーク」戦略に示されているように、日本は持続可能性を改善するEUの取組みにとって重要なパートナーであると述べた。
基調講演「EUと日本の間の経済連携協定(EPA)の実施の利点(農産物分野を中心に)」の後、食の安全、動物防疫と植物防疫に関するEUの法的枠組みの概要、EUの食品トレーサビリティー、消費者向け食品情報に関するEUの法令、国際貿易に関する単一の主体としてのEUをテーマとした「EUの食の安全・品質システムについての概略」についての講演があった。次いで、動物と畜産物、農産物と農産物製品、地理的表示、有機製品の4テーマの貿易機会の講演を四つの分科会で並行開催、その後の「欧州グリーン・ディール、持続可能な農業、農場から食卓へ戦略」の講演で初日を締めくくった。
2日目は「EPAによってもたらされた、貿易を円滑に促進するための仕組みの使い方」と題した講演を皮切りに、チーズと乳製品、ワイン・スピリッツとビール、牛肉・豚・食肉加工品、野菜・果物・オリーブオイルの4分野のEUの衛生・技術・品質基準を並行開催の4分科会で説明した。その後、日EUの農産物貿易をいかに促進するか、日本市場における日EU貿易の課題と機会を探る日EUの専門家と業界関係者によるパネルディスカッションを開き、欧州委員会のセルジオ・パヴォン農業・農村開発局国際関係担当官の閉会のあいさつで締めくくった。
なお、EUによる欧州を味わう体験や今後のセミナーについての情報は「パーフェクト・マッチ!」キャンペーンサイト(https://www.foodmatcheu.jp)で、今回のオンラインセミナーに係るEラーニングのビデオは、セミナー公式Webサイトのオンラインセミナーのページ(https://www.euagrifoodsps.eu/#e-learnings)でそれぞれ提供している。
セミナー公式ウェブサイト: www.euagrifoodsps.eu
パーフェクトマッチ!日本語公式ウェブサイト: www.foodmatcheu.jp