「産地判別検査合格マーク」、産地と消費者繋ぐ信頼の証【PR】
理研ビタミン 事業戦略推進部海藻事業推進室主事 奥津 聡氏

ワカメは、伝統的なヘルシー食材としてのみならず、近年ではプラントベースフードの原料、二酸化炭素を固定化させるブルーカーボンなど近未来の食材・素材としても注目されている。カットワカメのリーディングカンパニーである理研ビタミンの奥津聡事業戦略推進部海藻事業推進室主事に現在のワカメ業界の課題と同社が進める「産地判別検査合格マーク」の取り組みなどについて聞いた。

奥津聡事業戦略推進部海藻事業推進室主事 奥津 聡氏
事業戦略推進部海藻事業推進室主事 奥津 聡氏

ワカメ業界の問題点として、①海洋の環境変化、②養殖従事者の高齢化、③使用メニューの偏りの3つが挙げられる。理研ビタミンでは、①は、2017年宮城県名取市に開設したゆりあげファクトリーで海洋環境に適したワカメの種苗生産を行う。③は、みそ汁や酢のものの具と定番化しているのを、家庭用では「わかめスープ」、業務用では「三陸産わかめ唐揚げ」など用途拡大に注力している。「最大消費国の韓国は、国民1人当たり日本の3倍の消費量。当社は、学校の食育授業でワカメは炒めても、煮てもおいしく食べられることを伝えている。地道なPRとレシピ提案で消費を広げたい」と奥津主事は消費拡大への意気込みを語る。

また、②の養殖従事者の高齢化は、生産量の減少にもつながる問題だ。ゆりあげファクトリーでは、早生(わせ)・晩生(おくて)種苗の選抜により収穫期間を長くすることで、労働の負担軽減を図る研究を行っている。そして、「最近ではアサリの産地偽装があった。産地偽装でブランド価値が下がると価格も崩れ、生産者のモチベーションも下がってしまう。そういうことはあってはならない。生産者の方からは、『きちっと産地が表示されて、適正な価格で売られていることが励みになる』という言葉をいただく」と奥津主事は語る。

微量元素組成分析
各産地の原料を検査し、微量元素組成分析により産地を科学的に確認している

同社は2010年に、原産地が確認できない原料を使用した可能性があるとして一部商品のリコールを行った。再発防止のため、同年トレーサビリティシステムを導入し、翌年には確立。さらに和牛のDNA鑑定のように科学的な産地判別の検証のために、産地ごとの微量元素のデータを8年間かけて蓄積し、農研機構と共同で、微量元素組成の差異から三陸産、鳴門・瀬戸内産、韓国産・中国産の産地が推定できる技術を開発(特許取得済)し、トレーサビリティと微量元素組成分析を組み合わせた新たな品質保証体制を構築した。19年2月には、合格した証明として「産地判別検査合格マーク」の使用を開始。現在は、家庭用「ふえるわかめちゃん」11品中10品、業務用の乾燥カットわかめ10品中7品に合格マークが掲載されている。家庭用の未掲載の1品は、北海道産で、トレーサビリティの仕組みは確立しているが、新産地のため微量元素データを収集中のためだ。また、マークの有無に関わらずトレースの確認と微量元素組成による分析を実施している。

産地判別検査合格マーク
ふえるわかめちゃん

「産地が確実で安全・安心な商品を消費者にお届けするのはもちろん、生産者を支援し、産地を守るのがリーディングカンパニーとしての責務」と奥津主事。これらの取り組みは生産者にも響き、「昆布の養殖は複数年かかる。ワカメは1年草なので、収入の安定化のため取り組みたいという話がでてきている」という。北海道もその一つの事例だ。従来、ワカメの生育に適さないとされた北海道でもゆりあげファクトリーが保有する低い水温でも育つ種苗の提供で養殖を可能にしたのだ。

「産地判別検査合格マーク」は、スタートして3年半、業界が抱える問題の解決の一つの旗印として、産地と消費者を繋ぐ信頼の証として認知が広がってきている。


 

 

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