BIOVIAユーザーレポート 「ロッテ」 さらなるイノベーションの第1ステップに クラウド版電子実験ノートを導入【PR】
「グリーンガム」「ガーナ」「雪見だいふく」「キシリトールガム」など市場でイノベーションを起こした商品を数多く製造・販売するロッテ。同社がさらなるイノベーションを起こすためにはDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要不可欠とし、第1ステップとしてダッソー・システムズのクラウド版電子実験ノート「BIOVIA Notebook」を導入した。将来的には、デジタルツールを通じて、研究の進捗(しんちょく)や情報の共有はもちろん、海外などの勤務地や勤務時間にとらわれず、研究開発を推進していく考えだという。ロッテ中央研究所未来価値研究部基盤技術研究課課長の前田裕一氏と畠山より子氏に日本食糧新聞が話を聞いた。
新しい価値を創造する役割を担う
——貴社の中で中央研究所はどのような役割を担っているのですか。
前田 中央研究所は当社が製造・販売する菓子、アイス、日用品の研究開発を担っており、製品開発を行う開発部門と、製品開発に必要な基盤技術や新規研究を行う基礎的な研究部門があります。
その中で、私が所属する未来価値研究部は、当社の持つ技術をさまざまな角度から深掘りしていくことで新しい価値を創造する基礎研究の役割を担っています。
——貴社にとってイノベーションは重要なファクターだと思います。研究所はそのイノベーションを実際に生み出す役割を担っているのですね。
前田 当社はこれまでにも「グリーンガム」「ガーナ」「雪見だいふく」「キシリトールガム」など、市場でイノベーシ ョンを起こした商品を数多く開発・販売してきました。
——そのイノベーションをさらに生み出すためにDXが必要不可欠ということですか。
前田 例えば、基礎研究部門の研究員が、新たなテーマを着想したとします。その時に、まず考えることは、過去に同様の研究が行われたかどうか。そして、同様の研究が行われていた場合には、研究がどのような状況になっているのかを詳しく知りたくなります。
畠山 これまでも社内における過去の知見を記した報告資料や論文などを調べることはできましたが、成功事例とは別に、研究や判断の経緯など実務者が知りたい内容がカバーされていないことがありました。担当者が異動になった際に後任者へ業務を引き継ぐ場合でも時間の都合もあり今までやってきた研究ノートをそのまま受け取り、活用しきれないというようなこともありました。
前田 最も活用したいのが「個人が所有している、経験値などの貴重な知見」です。紙媒体での記録では、記録者の個性が反映された内容となり、検索が人海戦術になってしまうため、実質的に活用できているのはごく一部でした。
22年度から本格稼働
——そこで今回、ダッソー・システムズの電子実験ノートを導入されたのですね。
前田 菓子やアイスの新商品開発を効率良く進めるためには、デジタルツールの有効活用が必須という認識から、現在、研究開発におけるDXプロジェクトを推進しています。第1ステップとして、ナレッジの蓄積および伝承による製品開発の効率化を行い、次のステップとして、既存の枠組みにとらわれない商品開発のための環境整備、システムの開発を考えています。この第1ステップのツールの一つとして導入したのが電子実験ノートです。22年度から本格稼働をしています。
——どのような導入効果がありましたか。
畠山 電子実験ノートを使用することで、記載内容が見やすくなるとともに、検索も効率的にできるようになりました。目的の情報に素早くアクセスできることで、業務遂行が非常にスムーズになりました。さらに、各メンバーが日々の研究における色々な情報を記録することで、多くの知見が電子実験ノート上に蓄積され、「集合知」も出来上がるのです。
——なぜ、ダッソー・システムズを選んだのでしょうか。
前田 導入前に操作方法に関する説明会がありましたが、インターフェイスが使いやすく、一部の科学分野に特化した仕様というよりも汎用(はんよう)性が高いという点を評価しました。参考文献や実験結果など関連情報を一つにまとめて記録できる点は非常に便利です。さらにフォーマットを作り、各情報をそのフォーマットに沿って蓄積することで、今まで以上に検索もしやすくなります。一つにまとまっていると、見返した時に探す手間も省けますし、メンバー間の情報共有も容易になります。これによって現状より業務がスムーズに遂行できるようになるのではという期待があります。
——導入はスムーズにできましたか。
前田 使用開始するまでに特別な準備やトレーニングの必要がなく、導入のハードルがほぼありませんでした。例えば分析機器を導入する場合などは、少なくても4日間程度の研修が必要になります。ダッソー・システムズの電子実験ノートでは、ここまでの特別な研修は不要でした。そのため、今回は特にスムーズに現場で使い始めることができたのではないかと思います(図1)。
勤務地や勤務時間にとらわれず開発を推進
——今後のDX展開に期待することは。
前田 短期的には、電子実験ノートの機能を最大限に活用することで、報告書などの書類作成時間の削減、実務に即した情報共有による業務の遠回りの防止など、既存業務の効率化ができるものと期待しています。
ただし、業務を効率化すること自体がゴールというよりもここで生み出された時間をクリエイティブな研究に充てていくことが重要だと認識しています。
今後は、デジタルツールを通じて、研究の進捗(しんちょく)や情報の共有はもちろん、例えば海外など、勤務地や勤務時間にとらわれず、研究開発を推進していきたいと考えています。
畠山 打ち合わせなどは、該当する部署で行うことが多いので、どうしても部署間を超えての研究成果の共有ができませんでした。それが電子実験ノートを導入することで、他の部署の方と研究成果の共有がスムーズにできるようになったことは、さらなるイノベーティブな研究を推進するのに、きっと役立つと思います。
前田 今後は電子実験ノートで各メンバーが収集したデータを、新しい着想の下に解析することになるので、新たにさまざまな試行錯誤が必要になってきます。また、時代の変化をいち早くつかみとり対応していくためにはさまざまなデータを素早く処理することができるシステムも必要です。近い将来、どちらかに特化した解析システムも新たに必要となってくるのではないかと思います(図2)。
畠山 電子実験ノートの導入により、業務が効率化できて、今まで以上に新しいことにも取り組むことができそうです。今後はボトムアップからのイノベーション、新規商品につながるような提案も増やしていけるのではないかと考えています。
ユーザーニーズに合わせる
さまざまなオプションを用意
ダッソー・システムズの電子実験ノートの正式名称は「BIOVIA Notebook」という。
導入の際にはユーザーニーズに合わせて、従来のオンプレミスでの導入からクラウドベースのサブスクリプションまでさまざまなオプションを用意している。オンプレミスでの導入の場合は、手早く簡単に作業できる標準的な「インストール・パッケージ」か、低コストで迅速に導入できる「リモート・インストール・オプション」のどちらか選ぶことができる。
クラウドで利用する場合に必要なのはインターネット接続と利用を開始するためのデスクトップコンピューターだけ。オンプレミスで導入する場合のデータベース・オプションは、Oracle DatabaseとMicrosoft SQLServ erを用意している。
「持続可能なイノベーション」を提唱
ダッソー・システムズ
ダッソー・システムズは3DEXPERIENCEカンパニーとして、人々の進歩を促す役割を担います。同社は持続可能なイノベーションの実現に向けて、企業や人々が利用する3Dのバーチャルコラボレーション環境を提供しています。同社の顧客は、患者、市民あるいは消費者のために世界の持続可能性を高めるべく、3DEXPERIENCEプラットフォームとアプリケーションを使って現実世界のバーチャルツイン・エクスペリエンスを生み出し、さらなるイノベーション、学び、生産活動を追求しています。ダッソー・システムズ・グループは140ヵ国以上、あらゆる規模、業種の30万社以上の顧客に価値を提供しています。 詳細な情報はホームページ 日本語https://www.3ds.com/ja 英語 https://www.3ds.comでご覧いただけます。
●お問い合わせ
ダッソー・システムズ株式会社 マーケティング
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