〈JAアオレン〉 新洗浄装置を導入 水使用量を半分に削減【PR】

SDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まる中、農産加工の分野でも、2030年ビジョンの達成に向けた動きが活発化している。青森県中南部に位置する弘前市で、リンゴなどの農産物を原料にしたジュースの加工と販売を行う青森県農村工業農業協同組合連合会(JAアオレン)は、生産過程における環境対策や農業の持続化支援などに力を入れる。


成田課長
成田和仁SDGs・FSSC推進担当課長

同連合会は2023年3月、工場で使用する水の削減に向けた取り組みの一環として、Eプラン(千葉県船橋市)が展開する洗浄水「スーパーアルカリイオン水(SAIW)」の生成装置を導入。生産ラインの洗浄を目的に活用を開始した。


同洗浄水は、界面活性剤など化学物質を使った洗剤とは異なり、成分の約99・9%が純水で構成される。発泡性がなく、洗浄後のすすぎも簡単。洗浄時間の短縮と節水効果が期待できる。


同連合会では、生産ラインの装置の中でも、分解することができない配管などの定置洗浄(CIP)に活用。粉末洗剤から、同洗浄水に切り替えたことで、それまで1回のすすぎに使用していた約1・5トンの水の量を、およそ半分まで削減するなど、大幅な節水を実現した。


殺菌機の洗浄に使用する水の量を削減
殺菌機の洗浄に使用する水の量を削減

一方、装置を分解して洗浄する分解洗浄(COP)をはじめとして、加工施設の床や壁などの洗浄にも効果を発揮。従来のように発泡する洗剤を用いてブラッシングする必要はなく、洗浄水を噴霧(ふんむ)し、水で洗い流すだけで洗浄と除菌が可能。作業に費やす時間の短縮や、効率の改善などにもつながった。


成田和仁同連合会SDGs・FSSC推進担当課長は、新たな洗浄水生成装置を導入した経緯について、「粉末洗剤を使用する従来の洗浄方法では、薬品の残留がなくなるまで、大量の水を使って何度もすすぎを行う必要があった。洗剤に含まれる塩素が生産ラインの機器に付着することで、さびが発生するなど、取り扱いにも苦労していた。こうした課題の解決策として期待した」と説明する。


初期導入効果については、「洗剤を使わずに同等の洗浄、除菌効果が得られることに加え、節水などSDGsの推進にも役立っている」とし、「環境保護の観点から、工場の洗浄によって出る排水が、バクテリアなど周辺環境に与える影響についても検証し、改善を進めていきたい」と述べた。

導入した洗浄水生成装置
導入した洗浄水生成装置

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