地域食品資源循環ソリューション 食品残渣を資源として活用 廃棄から地域循環へ【PR】

地域食品資源循環圏の概要図

食品ロス、地球温暖化、環境問題の対策で3R(リデュース、リユース、リサイクル)の重要性への認識が高まり人々の意識が変わった。いま、NTT西日本グループのNTTビジネスソリューションズが取り組んでいる「地域食品資源循環ソリューション」によって食品残渣(ざんさ)を資源として地域で活用していく取組みが注目を集めている。食品製造業者や青果市場等に向け、食品発酵分解装置「フォースターズ」を設置。装置内で食品残渣を微生物のチカラで発酵分解し、一次発酵物から良質な堆肥を作り農家へ提供。その農家が野菜や果物を育てていく食品資源の地域循環という新しい形である。

廃棄物の抑制と再利用は義務 求められる温室効果ガス削減

世界では10人に1人が栄養不足で苦しんでいる(出典=「国連報告書:パンデミックの年に世界の飢餓が急増」〈2021年7月12日〉)。他方日本では1年間に東京ドーム5杯分(2017年度推計値で約612万t)の食料が捨てられる。国民一人あたりだと毎日茶碗1杯を捨てている計算だ。2000年に「食品リサイクル法」で、すべての食品関連事業者に食品廃棄物の発生を抑制、再利用が義務付けられた。2019年には食品ロス削減を目指し「食品ロス削減推進法」も施行され、徐々に減少はしているが道半ばだ。また、食品廃棄物の廃棄に掛かるコストは大きく、焼却処理する場合は温室効果ガスも大量に発生する。わが国は2030年、温室効果ガスの2013年度比46%削減を目指す中、事業者の連携による取組みも求められている。食品廃棄物から堆肥をつくりおいしい野菜や果物を育て再び店頭に並ぶ「地域食品資源循環ソリューション」の需要が高まる背景がある。

年間処理費用5400万円が2880万円に削減した例も

食品関連事業者の事業所内に、食品残渣発酵分解装置「フォースタ ーズ」を設置し、食品残渣を分解した「フォースターズ」内の一次発酵物を引き取り、リサイクルセンターにて堆肥化。再生された堆肥を土壌改良材として、契約農家などに提供する。年間1200tの生ごみを排出していたある卸売市場の場合、焼却コストが5400万円掛かっていたものが、装置の導入により2880万円に削減された。「規模や内容にもよるが関東近郊だと1㎏あたり30円の処理コストが掛かっていたものが、われわれのソリューションでは半額以下12~13円になることもある」(NTTビジネスソリューションズ)という。

屋外に設置した「フォースターズ」
屋外に設置した「フォースターズ」

捨てればごみ、活かせば資源

NTTビジネスソリ ューションズは「食品製造業者、レストラン等、食品関連企業にとって、食品ごみを『出さない』ことと、『出したものを活用する』ことの両輪が必要だが、このソリューションでは出てしまったものをごみではなく『資源』にすることで、それを実現する」とした。資源化に取り組むことで社会的価値イメージの向上はもちろん、地域とのつながりや絆が強化され、新たなビジネスチャンスにもつながりそうだ。

導入は既に800台以上

現在、全国で800台以上の「フォースターズ」が稼働している。最も導入が多いのは食品工場等の製造業者だ。最近増えているのは食品卸売業者、食品市場、流通・小売事業者。「食品卸売業者、食品市場、流通・小売事業者には今後も注力していきたい」(同)とする。

レストランの食品残渣を堆肥化し再利用している「ステーキのあさくま」は「地域食品資源循環ソリューション」で「(さまざまな取組みをしても)食品残渣やお客さまの食べ残しなどが週に60㎏ぐらい発生する。店舗で出るほとんどのフードロスが堆肥化できるため廃棄する量がかなり削減できた」とする。「マルハ物産」は「食品リサイクルで20~30%コスト削減できた」とした。また契約農家にもメリットが大きい。地域で消費することを想定しているのため輸送コストが掛からず堆肥を安定的に購入でき、一次発酵物を畑に戻し使用することもできる。農用地にあわせて、炭や鶏糞、牛骨粉などとブレンドしたりすることもできる。その他にも「土がふかふかになる」「ストレスのない状態で野菜を育てるとおいしいものができる」等の声が寄せられているという。地域内の契約農家と連携ができているので、できた堆肥は無駄なく使われ、循環していく。

自然由来の力で環境にやさしい食のループを形成

「フォースターズ」は、食品残渣を微生物由来である堆肥促進剤「サーベリックス®」(サーベリックスはアサヒバイオサイクル㈱の登録商標です)の力で発酵分解し、堆肥のもととなる一次発酵物を生成する食品リサイクル装置だ。従来廃棄物として処理していた食品廃棄物を堆肥化し、地産地消的なバイオマス資源として還元する。

同機器は食品関連事業者の施設屋内または屋外に設置して使用する。規格外や品質劣化等を理由に販売できなくなった野菜や惣菜を槽内に投入し、堆肥化促進材を加えて蓋を閉めるだけでよい。投入後は撹拌(かくはん)、給水、温度管理などを自動的に行い、24時間後には約10分の1に減容した一次発酵物が出来上がる。発酵処理で分解するため悪臭がほぼ発生せず、室内でも快適に利用でき、稼働中の音も静かだ。ステンレス製なのでさびにくく耐久性も強い。また短時間で分解が完了するので連日投入することもできる。袋詰めの生ごみを放置しなくて済むようになるので、衛生的で鳥獣や害虫が集まる心配がなくなる点もメリットのひとつ。

発酵分解装置に食品残渣を投入する
発酵分解装置に食品残渣を投入する
堆肥化促進剤を投入する
堆肥化促進剤を投入する
発酵分解を開始してから24時間で約10分の1まで減容
発酵分解を開始してから24時間で約10分の1まで減容

「フォースターズ」に溜まった一次発酵物はパートナー企業のウエルクリエイトが定期的に専用車で引き取る。同社は事業者から引き取った一次発酵物をリサイクルセンターへ運搬して二次・三次発酵を行い完熟堆肥にした後、地域契約農家に提供する。

定期的に回収する
定期的に回収する

全国への展開力に強み

リサイクルセンターが25箇所(2022年1月現在)あり、全国で展開しているところが「地域食品資源循環ソリューション」の強みだ。なぜNTTビジネスソリューションズが地域食品資源循環ソリューションを展開できるのか。「リサイクルセンターの数を含め、日本全国で展開できる。全国網があるからこそ、地域ごとにコンパクトに循環させられるし、われわれのICTソリューションを活用できる」とする。北海道から出た食品廃棄物を堆肥化して沖縄で使えば、その移動での輸送コストがかさむ上、温室効果ガス排出の観点から環境負荷が大きく、元も子もない。全国展開のサービスだからこそ地域でコンパクトに循環させられるソリューションを提供できる。

ICTでつなぐ持続可能な未来

NTTビジネスソリ ューションズは、クラウドサービスやIoT(モノのインターネット)デバイスなどのテクノロジーも活用しながら、食品資源の地域循環をトータルでコーディネートする役割を担う。多彩なステークホルダーとの協働が円滑に行えるのも、きめ細かい情報共有等を可能にしているNTT西日本グループの技術があるからこそだ。たとえばリサイクルセンターや農業でのICT活用等が挙げられる。クラウドに蓄積されたデータをおのおののデバイスで確認し、課題の抽出や改善策の検討等を全体で行うことで、迅速かつスムーズな事業展開が望めるようになる。ステークホルダー間の連携によって新たな価値創造や市場形成ができれば、事業として永続的に収益性を確保できる「持続可能な地域経済」の実現にもつながる。このように循環型モデルの事業を成立させるためには、情報の収集、連携、共有等について全体の統制を取るNTTビジネスソリューションズのような担い手が不可欠なのだ。ICTを切り口にトータルでソリューションを提供することはNTTビジネスソリューションズが提供するソリューシ ョンの魅力のひとつだろう。

月額定額制で初期費用は無料 操作も簡単で導入しやすい

ごみ処理コストが削減できるのはわかったが、装置の購入費用や設置費用が高かったら導入は難しい――こうした疑問が真っ先に出てきそうだ。

しかし、サブスクリプション型(月額定額制)を採用している料金体系のため、本来ならば数百万円から数千万円掛かる初期費用は不要だ。

たとえば、1日最大100㎏の処理能力を持つ装置は、月額数万円から利用できる。処理能力によって多彩な装置が用意されており、事業規模や食品廃棄物の排出量で選択ができる。

また機器費や保守サービス、堆肥促進剤の提供も月額費用に含まれ、食品廃棄量の増減で費用が変動しないため、コストが低い水準で安定化する。

食品循環を地域圏内にとどめることで搬送負担も抑えられる。NTT西日本グループの最先端ICT(情報通信技術)で業務の効率化を図り、高品質かつ低コストのサービス提供を実現させた。

全国25箇所のリサイクルセンターを拠点にメンテナンスやフォローを行っている。

現在、最も多いユーザーは食品工場などの食品製造業者だ。飲食店から大規模な食品工場まで柔軟に対応できる容量別装置を数タイプ用意しているので、最近は食品卸売業者や小売業者からのニーズも高まってきた。

地域や食品残渣量で差異はあるが、大半の場合は廃棄処分時よりもコストを抑えることができる。

また、作業や操作も簡単で誰にでもできる。このため、ごみ処理だけのための従業員教育も不要となる。

初期費用が不要であることに加えて、この点においても導入に関する障壁は低い。

食品残渣発酵分解装置「フォースターズ」
食品残渣発酵分解装置「フォースターズ」

食品残渣発酵分解装置「フォースターズ」の3つの特徴

  • ①食品残渣を高速分解

    「フォースターズ」に投入した食品残渣は微生物の力で発酵分解され、約24時間後に10分の1の量になる

  • ②悪臭がほとんどなく衛生的

    食品残渣を好気性微生物にて発酵分解するため、いわゆる悪臭がほとんど発生しない

  • ③残渣量に応じた装置 ラインアップ

    食品残渣の量に合わせ、飲食店から大規模な食品工場まで対応できる。室外だけでなく室内にも設置できるため場所の制約にも柔軟に対応

「フォースターズ」に入れてはいけないものの例

  • 金属、ガラス、陶磁器類
  • プラスチック、ビニール、ラップなどの石油製品
  • 化学薬品
  • つまようじ、動物の太い骨、竹の皮、トウモロコシの皮や芯(粉砕すれば可能な場合もあり)
  • その他、人が食べられないもの

地域食品資源循環ソリューション 街・人・暮らしをもっとSmartに

「地域食品資源循環ソリューション」はNTT西日本グループが推進する「Smart10x」という事業ビジョンの下、行っている。リモート社会の急進展や社会活動・価値観の変化に対応するため、同社やパートナー企業と連携し、「ラーニング」「ファクトリー」「ワーク」等の10分野で地域の課題解決に資するサービスラインアップの強化を図る。

「地域食品資源循環ソリューション」は、食に関する社会課題をICT(情報通信技術)等の活用により解決する「スマートアグリs」の分野に該当する。同ソリューションはクラウドやIoT(モノのインターネット)デバイスなどによるICTで地域の社会・産業とともに新たな食品リサイクル環境を創造することを目的とする。

時代は生産・消費・廃棄が一方向に流れる従来の線型経済から、持続可能な生産・消費形態を持つ循環型経済へ転換する時期に来ている。同社は「ソーシャルICTパイオニア」としてBtoBtoX型の課題解決により、多彩なステークホルダーとともに「Smart10x」の推進に注力していく意向だ。

ごみから資源へ価値転換を図ることで、社会貢献度も飛躍的に高まる。2020年に政府が脱炭素社会の実現を目指し「2050年カーボンニュートラル」を宣言したことを受け、温室効果ガスの排出要因として、いまあらためてごみ問題が注目されている。環境省によると2019年の日本のごみ排出量は4274万t。最も多い処分方法が焼却で全体の79.4%を占める。ごみ処理に関わる問題はCO²の排出問題だけではない。埋め立てに必要な最終処分場の残余容量の減少や鉱山資源の枯渇など逼迫(ひっぱく)した課題が山積みだ。

「フォースターズ」は菌(微生物)による発酵分解の力で食品残渣(ざんさ)を堆肥化するので、ごみに関わる課題全般の解消に寄与できる。NTTビジネスソリューションズでは「より多くの事業者に参加してもらうことで地域循環の安定性も向上していく。地域食品資源循環ソリューションを通じ、SDGsに貢献していきたい」としている。


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