サステナブルで健康志向 日本市場のニーズに応えるニュージーランド食材【PR】
世界140ヵ国以上へ高品質の食品・飲料を輸出しているニュージーランド。最適な気候、肥沃な土地や海といった自然環境に恵まれていることはもちろん、国を挙げて環境負荷低減などサステナブルな取組みを推進しており、安心・安全なグローバルブランドとして評価を獲得してきた。日本との結びつきも深く、30億NZドル(2280億円相当)を超える乳製品やラム肉などバラエティーに富んだ食品・飲料が日々の暮らしに彩を添えている。その確かな信頼を支えているのが、同国食品産業の基盤となる先住民マオリの考え方だ。伝統とイノベーションが同居し、進化を続ける同国食品産業の日本市場への取組みについて、ニュージーランド政府機関として同国企業のグローバル展開を支援するニュージーランド貿易経済促進庁(NZTE)のトレードコミッショナーを務めるクレイグ・ペティグルー氏に聞いた。
屈指の食の生産国
ペティグルー氏は、「緑豊かな牧草地、肥沃な土壌、涼しく澄んだ水が組み合わさることで、安全で、おいしく、高品質で、栄養価が高い、エシカルなニュージーランドの食品が生まれる」と語る。
ニュージーランドの食品・飲料の輸出は、輸出全体の46%近くを占める。食料生産能力も高く、同国の人口の8倍以上に当たる約4000万人を養うのに十分なボリュームを生産できるほどだ。上質なバターやチーズから、アイスクリームや乳幼児粉ミルクに至るまで、同国の広大な牧草地で健やかに育てられた生乳から作られる乳製品、1年を通じて放牧による牧草飼育が基本のヘルシーなビーフやラム肉、漁獲量の94%が持続可能な方法で管理されたシーフード、新鮮で栄養価に優れた質の高い野菜や果物、人気の高いマヌカハニーや国際的評価を受けたワインなど、同国の食品・飲料は今やグローバルブランドとして浸透している。オーガニックアイテム輸出比率も約70%と高い。
イノベーティブな取り組みも盛んで、例えば「サンゴールドキウイ」など新たな品種の開発を幅広く展開し、「創意工夫による大胆なソリューション」が生まれるビジネスのしやすさもある。
日本は、ニュージーランド最大の食品および飲料製品の輸出市場の1つであり、2021年6月に終了した年度の輸出収益は18億ドルを超えている。中でも、リンゴやキウイフルーツなどのフルーツが最も多く、約5億9900万ドルの貿易額に上り、乳業、畜肉がそれに続く。近年では、ヘルシースナックをはじめとするバラエティーに富んだ商品も増加傾向にあるようだ。
食品産業の基盤は「カイティアキタンガ」
ニュージーランドは、豊富な天然資源と環境に恵まれているが、食料生産において同国を特徴づけているのが、先住民マオリの思想「カイティアキタンガ」の考え方だ。これは人と大地と海が持つ独特のつながりを表したもので、マオリ文化では、このつながりは、人と自然界の相互関係を認める原理で説明されている。つまり、「自然が豊かになれば、人も豊かになる」という思想だ。
企業経営にも生かされており、環境に負荷をかけない方法で土地・資源保護に重点を置いた食品メーカーや、持続可能な方法で漁獲を進める水産企業など、マオリの伝統を現代にアップデートしながら食品を生産。NZ政府が出資している国有企業AsureQualityは、食品メーカーと食品サービス事業者に対し、認証サービスと革新的な食品試験サービスを提供。最終消費者に対する食品の安全性を確保するのをサポートしている。
事実、ニュージーランドの水産資源の持続可能性は、40年近く前の1986年に導入されたクォータ管理システム(QMS)によって確保されており、トレーサビリティーも確立。多くの漁業が持続可能な魚介類の正式に認定された生産者だ。96%のワイン産業が独立した監査プログラムで、自然環境・ビジネス・関連するコミュニティーの繁栄を確実にする観点から、持続可能の認証を取得している。
環境負荷低減への取組みはさらに進んでおり、同国は2050年までに食品産業全体でカーボンニュートラルに移行する計画。今日でも、電力の80%が再生可能エネルギー(水力および地熱)で、2025年までには90%達成を目指している。ペティグルー氏は、「私たちは、クリーンで安全な自然エネルギー資源に移行することの長期的なメリットを信じており、将来の世代のために環境を保護することに専念している」とビジョンを示し、国内行動と国際的なリーダーシップを組み合わせ、SDGsの達成への貢献を目指している。
さらなる展開を日本市場で
信頼性の高いニュージーランドの食品・飲料だが、日本市場では今後どのような展開を目指していくのだろうか。ペティグルー氏は、高まる健康志向に対して安心・安全を確保しながら、イノベーティブな形で答えていくことが重要であると考えている。
「健康に配慮した食品への需要が高まり、健康志向の消費者も果物や野菜を多く消費する傾向にあり、今後も農産物の需要が高まる可能性がある。さらに高齢者、観光業、女性の労働力は、日本の食品・飲料セクターの未来を形作っていくはずだ」
近年はコロナ禍での健康意識の高まりの影響もあり、同国の食品に対する品質面・安心面での評価の浸透が進んでいる。農産物では、日本への輸入品目をみても、2020年11月までの前年比では、キウイフルーツが約20%増、リンゴが2倍以上の伸びを見せ、ハチミツも97%増と大きく伸長した。同国の牛や羊は、牧草飼育が基本で、広大な土地に放牧して健康的に育てられていることから、グラスフェッドバターや赤身肉、ラム肉は新鮮さだけでなく、おいしさや風味の高さも特徴。他の食品も健康志向の消費者から注目を集めており、自然の中で育てられて栄養価が高く、尚且つ厳格な衛生基準をクリアーした安全・安心な食品であることが、日本市場で評価されている。こうした豊富な栄養価と、環境へも配慮された安全性の高さは日本市場でのニーズにもマッチしており、今後も差別化アイテムとして成長が期待される。
NZTEは、豊富な知識とグローバルネットワークを使用して、あらゆる規模の輸出業者がより良い意思決定を行い、適切な国際的パートナーや投資家とつながるのを支援している。ニュージーランド製品に関する日常的なコミュニケーションからビジネスマッチング、そして日本の輸入業者とニュージーランドのブランドをつなぐイベントの開催まで多岐にわたるサポートを行い、コロナ禍でもオンラインメディア円卓会議、ビジネスパートナーや潜在的なクライアントとのバーチャル会議、ニュージーランド製品の機会について学ぶためのウェビナーなどを開催してきた。
ペティグルー氏は、「カイティアキタンガ」に加えて、「マナアキタンガ」の思想も重要と語る。他人を気遣い、常におもてなし、優しさ、寛大さ、尊敬を示す考え方で、日本におけるビジネスパートナーとの歩調を合わせてサポートをすすめていく。豊かな自然資源とそれを生かしたイノベーションを伝統が支え、世界市場で確かな存在感を示すニュージーランドブランドは、そのエシカルなポジションについてもますます注目される。
ニュージーランド貿易経済促進庁(NZTE)商務官 中村
Shintaro.nakamura@nzte.govt.nz