日本各地のサプライヤーが輸出に挑戦する「沖縄国際物流ハブ」とは【PR】
沖縄が日本とアジアをつなぐ架け橋に
沖縄は、琉球王国時代の14世紀から16世紀にかけて、アジア諸国を相手に行った交易・中継貿易を通じて、「万国の津梁※=世界の架け橋」としての役割を担い、繁栄した歴史を有する。今日のアジアの経済発展にともない、沖縄の東アジアの中心に位置する地理的優位性が今再び注目されている。
那覇国際空港から空路で4時間圏内には、人口約20億人の巨大マーケットが横たわる。沖縄県は、時代に即した新たなリーディング産業として「観光産業」「情報通信関連産業」に次ぐ第三の柱を「国際物流拠点の形成」とする目標を掲げ、沖縄のみならず日本とアジアの発展に貢献する「21世紀の万国津梁」を目指している。
※15世紀に鋳造され首里城本殿に掲げられていた鐘に「世界の架け橋(万國之津梁)となる沖縄には珍しい宝物に満ちている」と刻まれている。
全国特産品流通拠点化推進事業
国際物流拠点の形成を目指す沖縄県では、日本全国の特産品を沖縄経由で輸出促進を図る取り組みを推進している。令和3年度は、長野県、新潟県、鹿児島県、鹿屋市と連携し、各産地のサプライヤーと、沖縄県の貿易商社及び各商社と連携する海外バイヤーとのマッチング商談会を開催。また、前述の3県1市と以前に連携した産地(福井市、和歌山県、広島県)の特産品を加えて、香港と台湾においてテストマーケティングも実施している。
商談会では、サプライヤーは各産地に設けられた会場に集まり、オンラインでバイヤー各社との商談に臨んだ。各産地のサプライヤーは商談会に先立ち、沖縄側のワンストップサービスを活用して商談サンプルを手配しており、個別に発送する手間が省けることや、運賃が抑えられる等のメリットを体感し、8割以上のサプライヤーがその利便性を高く評価した。
新潟県では、2021年10月21日(木)にサプライヤー11社が新潟ユニゾンプラザに集まり、沖縄県貿易商社7社及び海外バイヤー8社、長野県では、10月26日(火)にサプライヤー19社がホテルメルパルク長野に集まり、沖縄県貿易商社7社と海外バイヤー9社、鹿児島県では、11月16日(火)にサプライヤー22社が、⿅児島サンロイヤルホテル(鹿児島市会場)とホテルこばやし(鹿屋市会場)に集まり、沖縄県貿易商社9社と海外バイヤー10社とオンライン商談を行った。
商談会で出会った新潟県の干柿やあんぽ柿、洋ナシや巨峰のジュース等を輸出に繋げた、青果卸・商社のサニー沖縄(沖縄県那覇市)・青果物卸売事業部課長の城間裕志さんは、「海外バイヤーの目に留まった日本産品は、一日でも早く送るように毎日催促されるほど関心が高く、なかでも今回の干柿は、昨年の12月以降香港とシンガポールに毎週輸出している。亜熱帯性気候の沖縄は、4月から11月に収穫できる農作物が限られ、県産品の輸出量が減少するので、今後は、産地リレーで県外の旬の高付加価値な青果物を掘り起こしたい」とコメントした。
2022年1月3日(月)から2月6日(日)には、香港旺角の日本産品アンテナショップKourmet52において、長野県、新潟県、鹿児島県、鹿屋市、福井市、和歌山県、広島県の特産品を一堂に集めたテスト販売「日本のうまいもんフェア」を開催した。テスト販売への参加を希望した、対象産地サプライヤーの全105品を、現地バイヤーが事前に試食審査により厳選し、37アイテムが採用されている。売場では「アジアの中心に位置する沖縄経由で集めた日本良品フェア」という趣旨のアイキャッチを掲げた特設コーナーを設け、産地ごとに商品とPOP等をディスプレイした効果的レイアウトでPR販売を行っている。
信州産柿の加工品「しんなり柿チップ」が採用された、株式会社はねげん(長野県長野市)営業担当の遠藤麻子さんは、「弊社の商品が海を渡り、香港の皆さまに買っていただけるなんて夢のよう」とコメントし、香港で順調に売れていることを聞くと、「外国語を勉強して直接商品PRしてみたい」と意欲を見せ、輸出に対するモチベーション向上に繋がっているようだ。
今回のフェアに協力したKourmet52オーナーのカルマンさんは、「今や日本の食品が溢れかえる香港の日本産品市場は成熟期にありニーズが細分化されている。しかし、香港から日本各地の商品を細かく掘り起こすことには限界があり、手間とコスト面に高いハードルがある。アジアの中心にある沖縄にモノが集まることで、課題は一気に解決できる」と国際物流拠点の形成を推進する沖縄に期待を寄せている。
沖縄県によると、引き続き日本各地と連携して、沖縄国際物流ハブの活用促進、全国特産品の流通拠点化・輸出促進に取り組んでいくとのことである。今後海外展開を考えている生産者・サプライヤーは、まずは沖縄から輸出に繋げていくのも良いだろう。